日本に原発、いる?いらない?〜反原発で3兆円の損失?日本の原発事情を、わかりやすく解説!〜 | SayGee!![セイジー!] | 政治・選挙の基礎から最新ニュースまで、わかりやすく解説!
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日本に原発、いる?いらない?〜反原発で3兆円の損失?日本の原発事情を、わかりやすく解説!〜

  • 環境の課題
  • 2011年3月11日に起こった、東日本大震災。

    それを引き金として、世界を巻き込む大問題を日本は起こしてしまいました。

    それこそ「福島第一原子力発電所問題」です。

    この事故以来、日本の原発稼働は一切を見直されられ、全ての原発稼働が一旦ストップしました。

    この後、原発再稼働反対派と賛成派に国が二分し、現在も非常に大きな論点となっております。

    そんな原発ですが、事故から約6年が経った2017年1月現在、今日本にはどのくらい原発があり、どのくらいの原発が再稼働しているのでしょうか?

    というか、そもそも原発無しで、どのようにエネルギーを創出しているのでしょうか?

    そして、なぜ安部総理率いる自民党は、あんなに大事故を起こした原発を再稼働させたいのでしょうか?

     

    そのあたりの、「現在の原発事情」をさらっとみていきましょう!

    それでは早速、レッツビギン!

     

    日本の原発事情

    そもそも原発ってなに?

    原発とは「核分裂で水を沸かして、発生した蒸気でタービンを回して発電する」仕組みです。

    仕組みは「自転車漕いで発電する」アレと同じです。

    「自転車を漕いでタービンを回す」か「核分裂で水蒸気を出してタービンを回す」の違いです。

    火力発電も「石油などを燃やして水を沸騰させて、タービンを回す」ので、これも原理は一緒ですね!

    出典:北陸電力

     

     

    日本に原発はいくつあるの?

    2017年1月現在、日本には16箇所、合計43基の原発があり、そのうち2基のみが稼働しております。

     

    地図で見るとこんな感じですね!

     

    日本って、こんなに原発あったんですね!

    それもそのはず、東日本大震災が起こる前(2010年)は、日本のエネルギーの約3割は原発によるものでした!

     

     

    日本のエネルギー源の推移

    で、2011年3月11日に東日本大震災が起こり、福島第一原子力発電所で事故が起こりました。

    その約1年後の2012年5日5日には、日本の原発全てストップしました。

    これにより、震災前は約3割を占めていた原子力発電を、全て他の発電に切り替えることになります。

     

    その移り変わりがこちら!

    多少水力や、新エネルギーなどのその他エネルギーが増えているものの、原発の分は殆ど火力発電に乗っかってきてますね。

    また、図の中の「LNG」や「石油」のように、火力発電は「何を燃やすか」によって分類されます。

    LNGとはいわゆる「天然ガス」です。このLNGの伸び率が、石炭や石油に比べて半端ないですね!

     

    日本が原発を捨て、どうなった?

    上記のように、事故以来、日本は「脱原発・反原発」が進み、2017年現在でも稼働しているのは2基のみで、その発電量はたかだか知れているものです。

     

    ということで、日本が脱原発化してきたころで、どのように日本は変わっていったのでしょうか。

     

    よく声があがる「原発のメリット」としては「コストが安いので経済的」というものがあります。

    その部分を少し掘り下げて、「原発を止めたことで、どれだけ日本は損をしたのか」という部分をみていきましょう!

     

     

    日本はどれだけ損をしたのか?

    「原発は他のエネルギーよりも、リスクが高い分コスパがよい」ということは、今や殆どの日本人が知っている事実です。

     

    では、具体的には「原発の何が安い」のでしょうか?

    それはもちろん「材料費」です。

     

    原発で使用する材料は「濃縮ウラン」というものです。

    この濃縮ウラン、少ない量でたくさんのエネルギーを作ることができるで、非常にコスパがよい、という感じですね!

    同じ100万kwの電力を生産するのに、石油だったら140万トンくらい必要だけども、濃縮ウランだとたった30トン!って感じですね!(ちなみに日本人は、1年間で一人あたり約8000kwくらいの電力を消費するそうです。)

     

    で、原発を止めたことにより、日本はウランの代わりに莫大な力のLNG・石炭・石油を輸入しないといけませんでした。

    その損失が、経済産業省の算出によると、1年で約3.7兆円だそうです。

    これらの原料はほぼ外国から輸入しているので、約3.7兆円のお金が「外国に流れちゃっている」ってことになるんですね。

    出典:経済産業省

     

    この3.7兆円ってピンとこないかもしれないですが、めちゃくちゃデカいんですよ。

    例えば、日本の予算(H29年度)を見ると、日本政府が教育にかけるお金が大体年間4兆円です。

    なんやかんや問題になっている東京オリンピックの予算でも膨らんで膨らんで3兆円です。

     

    そんな巨大なお金が、毎年外国に流れていっちゃってるんです。

    こう考えると、原発を止めることって、日本に莫大な「損失」を生んでいることになっちゃうんです。

     

     

    自民党は「経済成長から国を豊かに」

    上記のような、「毎年3兆円もの大金を垂れ流しにしている現状」は、自民党にとってあまりいいものではありません。

    自民党は、何と言っても「経済の規模をデカすることによって、日本国民の所得を上げ、暮らしを良くする」という比較的「国民よりも経済優先」のスタイルを取る政党です。(自民党が国民を無視している、とうわけではありません。あくまでも「比較的に」)

     

    日本は、バブル崩壊以降、不景気から抜け出せずに、闇の中でもがいています。そんな中での「3兆円の損失」です。

    「毎年3兆円も外国に垂れ流すくらいやったら、安全確認が取れた原発は再稼働してってもいいんじゃない?」というのが、自民党始め原発再稼働派の主張ですね。

     

    ただ、このような現状で「自民党は国民の安全より、経済を取るのか!」と、自民党は野党はじめ原発再稼働反対派から大バッシングを受けております。

     

    これからの原発問題

    原発は無くなるの?

    そんなこんなで、この先日本の原発は無くなっていくのでしょうか?

     

    恐らく、答えは「ノー」でしょう。

    今現在でも、全盛期より総数は少なくなりましたが、停止中の41基の原発のうちほとんどの原発が「定期検査中」で、安全確認が取れ、世論が許せばいつでも再稼働オッケーという状態です。

     

    再稼働の理由はもちろん「他の発電方法じゃ、割に合わないから」ですね。

     

    ただ、2011年の原発事故で、多くの方が「命」を落とし、さらに多くの方が「故郷」を失いました。

    また、事故によって避難した子どもが、避難先で通っている小学校で「避難民だから」いじめられているという問題も起こっています。

    いくら「割に合わないから」と言っても、それらを見て見ぬふりをしていて良いわけがありません。

    ただ、もちろん人によって原発再稼働「反対派」もいれば「賛成派」もいるので、どっちが正しいなんてことは私には言えないですが、ひとつだけいえることがあります。

     

    原発が再稼働しようがしまいが、政府のやることを監視するのは「国民」の役割です。

    「賛成」でも「反対」でも、「国民の声」として世に出すことが大事なのです。

    議論に参加する人が多い方が、必然的に結論も質の良いものになりますしね。

     

    ということで、今日の最後の言葉は「今後もこの原発事故は風化させずに、関心を持ち続けよう!」という形で終わらさせていただきます!

     

    それではまた別記事でお会いしましょう!チャオ!