「価格」のお話 〜需要?供給?インフレ?デフレ?経済の基礎をわかりやすく解説!〜 | SayGee!![セイジー!] | 政治・選挙の基礎から最新ニュースまで、わかりやすく解説!
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「価格」のお話 〜需要?供給?インフレ?デフレ?経済の基礎をわかりやすく解説!〜

  • 経済の仕組み
  • 日常生活の中で「需要と供給」という言葉、よく聞かないですか?

    実はこの「需要と供給」という言葉、現代社会の基本的な仕組みとも言えるくらい大切なものなのです。

    ということで、今回は「需要や供給」「モノの価格の決まり方」に絡めてお話していきます!

    それでは、レッツビギン!

     

    需要と供給

    いきなりですが、「モノの価格」ってどうやって決まっているのでしょうか?

    それはズバリ「需要と供給のバランス」で決まります。

    でも、いきなり「モノの価格は需要と供給のバランスで決まる」と言われてもよくわかんないですよね。

     

    別の言葉に置き換えてみましょう。

    需要とは「買いたい人」で、供給とは「売りたい人」です。

    なので、価格は「買いたいと思っている人の数」と「売りたいと思っている人の数」のバランスで決まるのです。

    では早速、具体例を見ていきましょう!

     

    需要が多いと価格は上がる。

    需要(買いたい人)が多くなればなるほど、価格はあがります。

    例えば土地の価格で考えましょう。

    東京の渋谷(道玄坂)の土地の価格は、1坪(約3.3㎡)で約3000万円です。

    しかし、私の地元の三重県名張市でしたら、駅前でも1坪約30万円です。

     

    なぜこんなに違うのでしょうか?

    それは紛れもなく「渋谷の方が圧倒的に土地を欲しがっている人が多いから」です。

    渋谷の土地を買ってカフェでもオープンすれば、人通りも多いので大きい売り上げが見込めるでしょう。

    しかし、地方には人があまりいないので、見込める売り上げも少なくなります。

    よって、「土地を欲しい!」と思う人も少なくなり、土地の価格も都会より下がっちゃいます。

     

    まとめると、

    • 需要が増えると価格は上がる。
    • 需要が減ると価格は下がる。

    です。

     

    供給が多いと価格が下がる

    需要とは逆に、供給が多いと価格は下がります。

    これは「売れ残り在庫一括セール」で考えましょう。

     

    まず、「売れ残り」は「供給が多すぎた」といえますよね。

    そして、売れ残った商品は価格を下げてでも販売しちゃいます。

    売れ残りの1個1000円のセーターでも、それが500円だったら買う人が増えるかもしれないですよね。

    このように、供給が多いと価格も下がっていくのです。

     

    希少なモノは、価格が高い

    モノが希少になればなるほど、供給量(売りたい人)も減っていきますよね。

    そのようなものも、価格は高くなります。

    典型的な例がダイヤモンドですね。

     

    以上、まとめると

    • 供給が増えると価格は下がる。
    • 供給が減ると価格は上がる。

    です。

     

    原油価格と需要と供給

     

    この「需要と供給」のバランスを最も顕著に反映しているモノこそが「原油」です。

    原油とは石油のもととなるもので、今や現代社会には欠かせないものですね。

    では、この原油のここ数年の価格の推移をみていきましょう!

     

    原油価格の推移

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    この図のように、原油価格は年によって非常に大きく変動しており、その原因はなんといっても需要と供給です。

    この図をみれば、「2000年代の継続的な値上がり」「2015年の急激な値下がり」が特徴的ですね。

    2009年の急激な値下がりは、リーマンショックによる世界的不況によるものです。

    ちょっと特殊なケースですので、今回はこの2009年の急激な値下がりは一旦無視します!

    では、このケースでの「価格と需要と供給」をみていきましょう!

     

    2000年代の継続的な値上がり

    2000年代と言えば、なんといっても中国などのBRICSを始めとした新興国の急成長です。

    BRICS:ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカの頭文字をとった、2000年代に急成長を遂げた国々たちの総称。

    国が成長をする上では、石油が欠かせません。

    例えば、中国には非常にたくさんの工場が建設されました。工場を建設するには、エネルギーの元となる石油が必要不可欠です。

    また、タイやインドネシアなど、BRICS以外にも新興国はたくさんあり、そのような新興国の国々が一斉に石油を欲しがったのです。

    言い換えれば、「世界中で石油の需要が上がった」のです。

    なので、原油の価格も右肩上がりになった、ということですね!

     

    2015年の急激な値下がり

     

    多くの石油産出国は、2000年代の世界的な石油の需要拡大により、原油の生産量を伸ばし続けていました。

    しかし、2010年代に入ると新興国の成長もひと段落し、2000年代ほど石油が必要でなくなりました。

    言い換えれば、石油が余っちゃうようになったのです。

     

    それに加えて、2013年には、「シェールガス」というものが出てきました。

    シェールガスとは、「シェール層という地層から採るガス」のことで、今までは技術的に不可能だったのですが、2013年頃から技術の進歩により摂れるようになったのです。

    ガスなので、石油と同じエネルギーになります。

     

    で、このシェールガス、アメリカとかカナダにめちゃくちゃ埋まっており、サウジアラビアなどの石油産出国は超焦ったのです。「やばい!石油が売れなくなる!」と。

    でもこのシェールガス、採取するには結構コストがかかるんですね。なので、あんまり安売りすると赤字になってしまします。

     

    で、そこにつけこんだサウジアラビアなどの石油産出国は、こう企みました。

    「そうだ!石油を産出しまくって供給量を増やしまくったら、石油の価格下がるよね。そうなれば、シェールガスも石油と価格を合わせるために、安売りしなければならない。でも、シェールガスは安売りしたら赤字になるから、それ続けてたらシェールガスの会社潰れまくるんじゃない?やっぱり石油が一番じゃけん!」と。

    なので、サウジアラビアなどは「世界的に石油がそんなに必要じゃないのに、シェールガスを締め出すために石油を生産しまくっている」為に、原油価格も下落しているのです。

     

    まとめ

    それでは、今回のまとめにいっちゃいましょう!

    • モノの価格は「需要と供給のバランス」で決まる。
    • 需要が大きければ価格は上がり、需要が少なければ価格は下がる。
    • 供給が大きければ価格は下がり、供給が少なければ価格は上がる。
    • 希少なものは価格が上がる。
    • 「需要と供給と価格の関係」を最も顕著に表すものの一つが「原油価格」。

     

    以上になります!

    それではまた別記事でお会いしましょう!チャオ!