GDPとは? 〜日本のGDPは500兆円?NNP?NDP?GNP?わかりやすく解説します!〜
経済のニュースでよく聞く言葉のひとつに「GDP」があります。
このGDP、経済のニュースを理解する上では「必ず知っていなければならない言葉」でもあります。
ということで、今回はGDPについて勉強していきましょう!
それでは、レッツビギン!
目次
GDPとは?
GDP=国内総生産
GDPとは、Gross Domestic Productの略で、日本語では「国内総生産」といい、細かくいうと、「国内で一年間に生産した付加価値の総額」となります。
このGDPの値が大きくければ大きいほど、その国の経済の規模が大きい(その国が発展している)ことを表します!
でもこのGDP、「付加価値」がクセものです。
決して、「その国での、1年間の売り上げ総額」ではありません。「付加価値」の総額です。
一体「付加価値」とはどうゆうことでしょう?
付加価値とは?
付加価値とは「自分が付け足した価値」という意味です。
みかんジュースの例で見てみましょう!
1本のみかんジュースを売る為に、
みかん農家はジュースメーカーにみかんを30円で売り、
ジュースメーカーはスーパーにジュースを80円で売り、
スーパーは消費者に100円で売ったとします。
となれば、1本のジュースで合計210円の売り上げが上がっていることになります。
この「売り上げ総額」では経済の規模はちゃんと計れないんです。
なので、「自分がしたことだけに対しての売り上げ」のみを考えます。
例えば上の例では、ジュースメーカーは「30円のみかん」を「80円のジュース」として売りました。ということは、この差額の「50円」が、ジュースメーカーが「みかんをジュースにすること」によって産み出した付加価値」ということになります。
なので、上の例でいうと、売り上げ総額は210円ですが、付加価値総額は100円ということになります。
この付加価値の総額こそが、GDPになるのです。
GDP=国民のお買い物総額
実はこのGDP、「付加価値の総額」でありながら、「消費者のお買い物額」でもあるのです。
上の図でも見てみても、両方100円ですよね。
従って、GDPは「その国の1年間の付加価値総額」ともいえますし、「その国の1年間の国民のお買い物総額(消費総額)」とも言えるのです!
名目GDPと実質GDP
また、GDPには「名目GDP」と「実質GDP」の2種類があります。
名目GDPは、「その年の純粋な付加価値の合計額」で、実質GDPは「物価変動を考慮した上での、その年の付加価値の合計額」です。
ちょっとややこしいですね。
例えば、なんらかの理由で、1年の間に物価が2倍になったとしましょう。そうなると、GDPも2倍になっちゃうわけです。
「GDPが2倍になった!」と言っても、経済が2倍に大きくなったわけではありまえせんよね。ただ単に「経済の規模は同じまま、物価が2倍になった」だけです。
そうすると、GDPが「経済の大きさを計る指標」の役割を果たせなくなっちゃうわけです。
それでは困るので、「物価の変動を考慮した、実質GDP」も存在します!
現在のGDP
日本のGDP
日本のGDP(名目)は、約499兆円(2015年)です。
端数は省略して「大体500兆円」と覚えておきましょう!覚えやすい!
ちなみにここ数年の推移としては、こんな感じ!
ここ10年は、500兆円前後で推移しています。
ただ、GDPが下がっている年って、リーマンショックで世界的大不況が起こった年だったり、東日本大震災の年だったりするんですね!
なので、「予想外の出来事」を除くと、まだまだ日本は少なからず成長はしているんですね!
ちょっと一安心。
では次に、世界のGDPを見てみましょう!
世界のGDPランキング
世界のGDPランキングはこんな感じ!
日本は世界3位ですね!立派な経済大国です。
しかし、なんと言っても特筆すべきはアメリカと中国の特出具合!
2位中国と3位日本の間なんて、約3倍です。
しかもこれでも、日本って2009年までは世界2位だったんですよ。
それが2010年に中国に追い抜かされたと思えば、たった数年で大きく差を開かれました。
恐るべし!中国!!!
その他の経済指標
また、経済の規模を計る指標は、GDPだけではありません。
その他の代表的な指標も見ていきましょう!
今回見る指標は、「GNP」「NDP」「NNP」です。
GNP:国民総生産
GDP=国内総生産に対して、GNP=国民総生産です。
例えば、日本人がアメリカで稼いだお金は、GDPでは「アメリカのGDP」に、GNPでは「日本のGDP」になります。
要は、「どこの国で稼いだ」がGDP、「どこの国の人が稼いだ」がGNPですね!
NDP:国民純生産
これは、GDP(国内総生産)から固定資産減耗を差し引いた額です。
まあ、言って見れば「GDPよりも、よりリアルな指標」です。
固定資産減耗とは?
固定資産減耗とは、企業の減価償却のようなものです。
例えば、ある企業が500万の機械で、100万円の価値を生み出したとします。
しかし1年間も機械を使用していれば、機械はすり減り、機械自体の価値が下がっていきます。
そこで、翌年には機械の価値が10万円下がったとすると、前年とおなじ100万円の価値を生み出したとしても、実際は機械の消耗で10万円価値が下がっているので、実質の価値は、100万円ー10万円の90万円、ということになります。
この、機械の消耗費10万円を含むか含まないかが、総額(GDPやGNP)と純額(NDPやNNP)の違いになります。
NNP:国民純生産
ここまでくると皆さんもうお判りですね。
NDPは「一年間の間に、ある国民が産み出した付加価値の総額。ただし固定資産減耗を差し引く。」ものです。
ただ、正直なところ、NDPやNNPはあまり使われません。
なぜなら、固定資産減耗をしっかり把握するのは非常に難しいからです。
まとめ
それでは今回のまとめにいっちゃいましょう!
- GDPはその国の経済の規模を計る指標で、大きければ大きいほど経済が発達している。
- GDPとは、一年間に国内で生み出された付加価値の総額。
- GDPとは、国民のお買い物総額でもある。
- 日本のGDPは約500兆円で、世界第3位。
- だけど世界2位の中国とは3倍ほど差がある。
- GDP以外にも、GNPやNDP、NNPなどの経済指標がある。
それでは今回はここまでにしましょう!
また別記事でお会いしましょう!チャオ!