刑事事件の流れ 〜逮捕?起訴?警察と検察の違い?書類送検とは?わかりやすく解説!〜
世の中は悲しいことに物騒なもので、毎日日本のどこかで逮捕され、起訴され、有罪判決が出ております。
そんなニュースを見ていると、「警察と検察」「書類送検」「不起訴」「釈放」「保釈」などのワードが飛び交っています。
みなさんも今までにめちゃくちゃ聞いたであろうこの言葉たち、実は「わかってそうでわかっていない日本語」でもあるんですよね!
これらのワードは、「刑事事件で、容疑者が逮捕されてから、裁判にかけられるまで」の一連の流れに出てきます。
ということで、今回はその「刑事事件の逮捕から裁判までの流れ」を見ていきましょう!
それでは、レッツビギン!
刑事事件と民事事件の違いは、こちらの記事をご参照下さい!
目次
刑事事件の流れ
まずは、刑事事件の一連の流れを図式化しました!どん!
んー!複雑ですね!
一個づつ紐解いて見てみましょう!
刑事事件の警察のお仕事
犯人逮捕とその目的
まずは、犯人捜査からの逮捕をします。
逮捕の目的は、「犯罪の証拠隠滅をすること」と「逃亡を防止すること」です。
決して「犯人を裁くこと」や「犯人に罰を与えること」ではありません。
犯人を裁くのは「裁判所」の役目です。警察と裁判所は完全に独立した組織なので、警察は犯人に「罰を与えること」は出来ません。
三権分立で見ると、警察は行政機関である「内閣」の一部になるので、警察と裁判所は必ず独立していないといけません。
交通違反に支払うお金は「罰金」ではなく「反則金」です。
で、この逮捕にも実は「普通逮捕」「緊急逮捕」「現行犯逮捕」3種類の逮捕があります。
普通逮捕
普通逮捕の流れは「警察が裁判所に逮捕状を作ってもらい、それに基づいて逮捕する」ことです。
緊急逮捕
とりあえず逮捕状なしで逮捕して、後ほど裁判所に発行してもらうことです。
裁判所に逮捕状の発行が認められなかった場合は、その時点で釈放!となります。
現行犯逮捕
これはご存知の通り、犯罪行為を行ったその場で逮捕することですね。もちろん逮捕状は必要ありません。
48時間の事情聴取
逮捕後、警察による事情聴取(取り調べ)が行なわれます。
この事情聴取は、48時間以上は出来ません。
逮捕から48時間以内に、警察は容疑者を「釈放する」か「検察へ送る(送検)」かをしなければなりません。
微罪処分
この時点で、罪が軽ければ「微罪処分で釈放」となる場合もあります。
これは「警察官に注意だけされて、釈放」と考えて下さい!
検察へ送検
警察の事情聴取が終われば、次は起訴に向けて「送検」されます。
この送検には「身柄送検」と「書類送検」の2種類があります。
身柄送検
容疑者自身も検察署へ連れてかれることです。
検察へ連れて行かれた後は、検察で再度事情聴取が始まります。
書類送検
書類送検は、容疑者は釈放し、書類のみを検察に送ることです。
こちらは、軽い罪の事件の場合によく使われます。
書類送検の場合は、起訴されない(裁判にかけられず、釈放)の場合も多いです。
刑事事件の検察のお仕事
警察から送検されると、以降は検察の出番です。
刑事事件上の警察の役割は、「容疑者の証拠隠滅や逃亡を防ぐために逮捕すること」でしたが、検察の役割は「容疑者を裁判にかけること」です!
ここ、超重要ポイントです!警察と検察の違い!
24時間の事情聴取
警察から引き受けたあとは、まずは検察でも取り調べをします。
ここでも制限時間があり、24時間以内に検察は、容疑者を「釈放する」か「勾留(身柄拘束)を延長する」かを決めなくてはいけません。
略式起訴
この時点などで検察がする起訴で「略式起訴」というものがあります。
略式起訴とは「簡単な裁判」みたいなもので、実際の公開裁判は開かずに、書面だけでやりとりするものです。
サクサクっといけるので、軽い罪の場合によく使われます。
最大20日間の勾留
事情聴取の後も、検察は最大20日間、容疑者を勾留できます。
この20日間の間に、検察はさらに事情聴取をしたり証拠を集めたり、起訴する準備をします。
起訴
証拠が集まれば、いよいよ起訴です。
起訴とは、裁判所に「この容疑者を裁判にかけます!」と申し出ることです。
逆に、しっかりとした証拠が集まらなければ、検察は起訴を諦め、容疑者は釈放されます。
起訴率と有罪率
平成26年に起訴された件数は約38万件に対して、不起訴になった件数はなんと約77万件です。
割合で言えば、なんと検察に送られてきた事件の約32%しか起訴されてないんですね。
この理由は、検察は「決定的な証拠」がなければ、起訴はしないからです。
なので、起訴された事件の有罪率は99%以上、なんてことも言われております。
起訴後勾留と保釈制度
起訴が決まれば、初回の裁判までの1ヶ月間〜2ヶ月間は、拘置所で生活することになります。
ただ、皆様がよく耳にする「保釈制度」もあります。
これは、起訴から判決が出る間、決められたお金を預けることで、拘置所から出れる、ということです。
この保釈金は、容疑者の経済状況によって決められます。
なので、大金持ちの会社社長などでしたら、5億円や10億円になるときもあります!恐ろしい!
ただ、あくまでも「預ける」だけなので、裁判が終わったら全額返金されます。
しかし、保釈中に逃亡を図ろうとしたり、証拠を隠滅しようとすれば、保釈金の一部ないし全額が没収されちゃいます。
皆様も、保釈中の行動には気を付けましょう!
刑事裁判
いよいよ裁判です。
ほとんどの裁判は1回で判決が下ります。
なので、判決が下った時点で、検察での勾留は終わりです!
なお、裁判が続いた場合には、最終的に終わるまで、拘置所を出ることはできません。
ということで、以上が刑事事件の流れでした!
最後にもう一度、図を見て復習してみましょう!
それでは今回はここまでにしましょう!
また、別記事でお会いしましょう!チャオ!