政党一発比較!誰でもわかる政党マトリクス! 〜政党の立ち位置がわかれば、納得のいく投票ができる!〜 | SayGee!![セイジー!] | 政治・選挙の基礎から最新ニュースまで、わかりやすく解説!
記事イメージ

政党一発比較!誰でもわかる政党マトリクス! 〜政党の立ち位置がわかれば、納得のいく投票ができる!〜

  • 政党比較
  • 日本の政党って、自民党やら民進党やら日本維新の会やらなんやらかんやら・・・いっぱいありますよね!ややこしい!

     

    しかしみなさんご安心を!

    政党マトリクスというツールを使えば、政党のスタンスが一発でわかるのです!

     

    それがこちら!ばばん!

    政党マトリクスでございます!オーイエー!

     

    さて、今回はこの政党マトリクスを使用して、各政党のスタンスを比較していきましょう!

     

    それでは、レッツビギン!

     

    政党マトリクスの縦軸と横軸

    ではまず、この政党マトリクスの見方をご説明致します!

    まずは縦軸と横軸!

    政治的スペクトル

    タテ軸:経済統制の大小

    縦軸は「経済統制の大小」を表します。

    これは「大きな政府」と「小さな政府」と言われたりもします!

     

    経済統制が小さいとは?

    「経済統制が小さい」は、政府が経済に介入しない、ということです!

    例えば、

    • 税金はあまりとらない。
    • 外国からの関税もあまりかけない。
    • 国が企業(国営企業)をあまり持たない。
    • 年金や医療保険などの社会福祉も、出来るだけ民間企業に任せる。

    という点です。いわゆる「自由主義経済」ってやつです!

     

    これによってのメリットは、

    • 競争社会になるので、市場が活性化して経済の規模が大きくなる!
    • 企業同士や従業員同士が競争しあうので、お互いのレベルが上がる!

    という点ですね!

     

     

    一方のデメリットは、

    • 弱肉強食の世の中になるので、格差が大きくなる!

    という点です。

     

     

    経済統制が大きいとは?

    ではもう一方の「経済統制が大きい」は、政府が経済に積極的に介入する、ということになります!

    例えば、

    • お金持ちから税金をたくさん取り、貧困層に還元する。
    • 外国からのモノに関税をかけ、国内産業を守る。
    • 国が企業を運営する。
    • 国が手厚く年金や医療保険などの社会福祉を提供する。

    という感じですね!

     

    で、これによってのメリットは、

    • お金持ちのお金が貧困層に還元されるので、格差が少なくなる!
    • 国が経済をコントロールしやすくなるので、経済が安定しやすい!

    という点ですね!

     

    一方のデメリットは、

    • 頑張ってお金を稼いでもどうせ税金で取られちゃうので、みんなダラけちゃって経済が伸びにくくなる!

    という点です。

     

     

    ヨコ軸:経済統制の大小

    では次に、横軸を見ていきましょう!

    横軸の「政治・文化的統制の大小」とは、「いかに政府が国民をコントロールしているか」ということです!

     

    政治・文化的統制が小さいとは?

    政治・文化的統制が小さいとは、「国民が国に縛られることなく、自由に生活できる!」ということです!

    例えば、

    • 他人に迷惑かけない限り、逮捕されない!
    • 悪口言ってもオッケー!
    • 戦争なんていかなくていいぜー!

    などです。

     

    これによるメリットは、

    • 人権がむちゃくちゃ守られている!

    につきますね!

     

     

    でも、デメリットもあるんです。それが、

    • 国家が国民をコントロールできないので、何かあった時ヤバい!
    • 悪いやつらには好都合!

    という部分ですね。

     

     

    例えば、いきなり外国が攻めてきても、国民は国の言うことなんて聞きません。自由なんで。

    そうなったら、国を守る人がいなくなっちゃいますよね。

    また、「何を言ってもいい!」てことは「悪いことを言ってもいい!」ってことになっちゃうので、悪いヤツらにも好都合なシステムなのです。

     

     

    政治・文化的統制が大きいとは?

    一方の政治・文化的統制が大きいとは「国が国民をコントロールし、国として一致団結していこう!」という感じです!

     

    例えば、

    • 国民の言動を管理し、危ないヤツはすぐ逮捕する。
    • 政府にとって都合の悪いことは、国民には知らせない!
    • 国が国民をある程度動かすことができる。

    などですね!

     

    このメリットとしては、

    • 国の緊急時などには、国が国民を動かし、素早い対応がとれる!
    • 国民をある程度縛ることで、国の治安を安定させることができる。
    • 国民が同じ方向を向くように管理することで、国と国民が一致団結できる!

    という部分ですね!

     

    一方のデメリットは、

    • 国民の人権(自由)が制限される。

    これに尽きますね!

     

     

    縦軸と横軸の組み合わせ

    では次に、縦軸を横軸を組み合わせたら何が生まれるのかを見ていきましょう!

    政治的スペクトル

     

    リバタリアニズムゾーン

    経済統制【小】× 政治・文化統制【小】でリバタリアリズムというイデオロギー(スタンス)になります!

    リバタリアニズム・・・なんかマニアックな名前ですが、これは簡単にいうと「とりあえず自由こそ全て!」という感じですね!

    具体的なリバタニアリズムの考え方としては、

    • 「個人の自由」がなによりも大事!
    • 「人の自由」を侵害した時にだけ、逮捕しちゃえばいいんじゃない?
    • 政府が色々経済に介入するから、経済がややこしくなっちゃう!政府は介入しない!
    • 国民から兵力や税を集めるなんて、ナンセンス!

    という形ですね!

     

    まあ、簡単にいうと「政府は引っ込んでろ!」って感じですね。

     

    この考えを突き詰めていくと「政府なんていらねーよ!」というアナーキズム(無政府主義)になります。パンクですね!

     

    このリバタニアリズム、現代社会では、アメリカには一定数(少ないですが)支持者はいますが、日本ではほとんどいません。

     

     

    保守主義主義ゾーン

    経済統制【小】× 政治・文化統制【大】で保守主義というイデオロギーになります!

    「保守」とは「今までのやり方を守ること」です。

    「じゃあ今までのやり方ってなに?」ってなりますよね?

     

    これは国や時代によって異なってくるのですが、現代の日本では、

    • 出来るだけアメリカとは仲良くしていこう!
    • かといっても、今の憲法はアメリカに押し付けられたみたいやから・・・日本人としての、日本人のための憲法を作りたいね!
    • 経済には、政府は基本的にあまり介入しないです!(でも今は不景気だから、特別に色々介入します。)
    • 経済の成長は、個人の消費よりも企業の消費が先決!
    • 税金もあまりとらない代わりに、社会保障もあんまりしないですよ!

    といった形ですね!

    一言で表すと「経済成長こそが、国(国民)を豊かにするのだ!」な考え方です。

     

    また、他の国では、

    • 移民はあまり好きではありません。自分たちの民族が一番!
    • 他の宗教はもあまり好きじゃありません!

    という色が強い国もあります!

     

    で、日本の保守党といえば、長年政権を担っている「自民党」です。

    アメリカでは「強いアメリカを取り戻す!」がスローガンのトランプさん率いる共和党が保守主義の政党ですね。

     

     

    社会民主主義ゾーン

    経済統制【大】× 政治・文化統制【小】で社会民主主義というイデオロギーになります!

    これは「国民の自由のためには、国は国民を束縛できないけど、放っとくと格差が生まれて平等じゃなくなるので、平等になるように国が管理しよう!」というものですね。

    なので「国民の自由と平等が大切!」な考え方です。

     

    具体的には、

    • お金持ちから税金をいっぱいとって、低所得者に還元します!
    • てか基本的に税金いっぱいとるけど、その分福利厚生はバッチリにしてあげる!
    • 働きすぎは良くないよ!個人の自由時間を大切にね!

    という感じですね!

     

    世界でも「北欧の社会民主主義」は非常に有名ですね。

    「消費税は20%だけど、医療費や教育費はタダ!」みたいな感じのアレです!

     

    その他、アメリカのオバマ大統領も「オバマケア」という医療保険制度を導入した、民主党(社会民主主義寄り)の政党出身です。

    厳密に言うと、アメリカの民主党は「社会民主主義」ではなく「社会自由主義」というスタンスです。「リベラリズム」ともいいます。

    この、社会民主主義と社会自由主義の違いとなるとちょっとマニアックな話になっちゃうので、「社会自由主義(リベラリズム)」は「社会民主主義」よりは、ちょっとだけ保守寄りと考えてみてください!

     

     

    社会主義ゾーン

    経済統制【大】× 政治・文化統制【大】で社会主義というイデオロギー(スタンス)になります!

    これは「国民の自由と平等のためには、国がなにもかも管理するのが一番!」というものですね。

    例としては、スターリン率いる旧ソ連ですね!

    「どの工場に誰が働き、何を何個つくるか」まで国が決めちゃいます。

    そして、国民は反乱を起こさないように政府から監視されます。

     

    旧ソ連がこれを行いましたが、皆様ご存知の通り大失敗に終わり、現在の世界でもこの方法を取っている国は北朝鮮などの数カ国しかありません。

     

    日本の政党別スタンス

    では最後に、以上の話を踏まえて日本の政党別スタンスをみていきましょう!

     

    自民党

    自民党は、日本を代表する保守主義政党です。

     

    自民党の経済的統制

    現在の自民党は、アベノミクスの名のもとデフレ脱却のために経済には大きく介入していますが、基本的には他の政党と比べて、経済介入は小さめです。

     

    自民党の政治・文化的統制

    自民党は、緊急事態の時は政府の権限を一時的に大きくする「緊急事態条項」を憲法に盛り込もうとしたり、国の運営に関する秘密事項を国民に知らせない「特定秘密保護法」を作ったり、都合の悪いテレビ局には「電波停止命令」を出すかもしれないと、国民統制は他の政党よりも強めです。

     

     

    日本のこころを大切にする党

    日本のこころを大切にする党も、自民党と同じく保守主義政党です。

    日本のこころの経済的統制

    日本のこころは政策が自民党と結構似ているのですが、インフラの徹底のためにはもっと公共事業をするべきだ!や、医療費の自己負担を上げないなどの点から、自民党よりも経済統制は強めです。

    日本のこころの政治・文化的統制

    政治的・文化的統制に関しては、自民党とほぼ同じです。

     

     

    日本維新の会

    日本維新の会は、日本で一番「小さな政府」を目指す保守主義政党です。

    日本維新の会の経済的統制

    維新は「政府のムダを徹底排除し、できるだけ小さな政府を目指す」をモットーとしており、経済にもあまり介入しようとしないことが特徴です。

    日本維新の会の政治・文化的統制

    政治的・文化的統制に関しては、自民党の緊急事態要項や電波停止命令を反対したりと、自民党よりは「国民を縛らない」政策を掲げていますが、保守寄りです。

     

     

    公明党

    公明党は、自民党と協力して政権を担う保守主義政党です。

    公明党の経済的統制

    公明党は、協力して政権を担う自民党とは政策が似ていますが、年金政策などで自民党と意見が分かれており、自民党よりは経済統制の考え方は強いです。

    公明党の政治・文化的統制

    公明党も、電波停止命令や緊急事態要項、また、自民党が反対している「夫婦別性制度」に賛成したりと、比較的こちらの統制は小さめです。

     

     

    民進党

    民進党は、自民党とは考えが逆ですが、極端には離れていないいわゆる中道左派政党です。

    民進党の経済的統制

    民進党は、自民党よりも「国民の平等性」を重視し、社会福祉も充実させていこうという考えです。

    ただ、TPPには賛成するなど、自民党と意見の合うものも多く見られるので、それほど統制を大きくしようとは見えない感じです。

    民進党の政治・文化的統制

    民進党は、自民党の政治・文化的統制には反対の立場で、国民の自由を守るスタンスを取っていますが、後述の共産党や社民党よりかは徹底してはいませんので、この位置です。

     

     

    自由党・社民党・共産党

    自由・社民・共産の3党は、政策的に似ているものも多いので、まとめちゃいます!

    で、この3党は「自民党と真逆の位置にいる政党」です。

    自由党こそ少し保守寄りにはなってきているものの、まだまだ「反自民」の色は濃いですね!

    自由党・社民党・共産党の経済的統制

    この3党は、「国民の平等性」を徹底的に進めていこう!という特徴があります。

    具体的には、低所得者や、子ども・高齢者向けの保証を手厚くしていこう!という点に非常に力を入れています。

    特に共産党は「徹底的に大企業の儲けを搾り取って、それをみんなに還元するんだ!」という意思が非常に強いです!

     

    一方の自由党は、比較的柔軟な考えで「国際貿易の活性化」などは自民党などと通ずる部分もあります。

     

     

    自由党・社民党・共産党の政治・文化的統制

    この3党は「国民の自由性」を非常に重要視しています。

    なので、上に出た「特定秘密保護法案」や「緊急事態要項」、または2015年に成立した「安保法」を反対するのはもちろん、「国民の自由」が非常に手厚く保証されている日本国憲法を、何がなんでも変えない!と強く主張してる部分も非常に特徴的ですね!

     

    自由党・社民党・共産党の違いは?

    この3党、政策では非常に似ていますが、政党のコンセプトは異なるのです。

    自由党は「国民の生活が第一」、社民党は「社会民主主義の実現」、共産党は「共産主義の実現」を各コンセプトにしています。

    なので、自由党はこの3党の中では一番柔軟な政策を取っており、共産党は一番強行的、で、社民党はその間、のようなイメージですね!

    また、自由党は2016年に生活の党から党名変更する際に「これからは保守層にもウケる政策を展開していく」と発表したように、今後は共産党・社民党とは違う路線の政策は増えていくと予想されます!

     

    それでは最後に、もう一度この表を見て終わりましょう!

    この表の、各政党の考え方のバランスを覚えておくと、今後の政治のニュースを見るときにも非常に役に立ちますし、なんといっても選挙での投票先を決めるときにも役立つのではないでしょうか!

     

    それでは今回はここまでにしましょう!

    また、別記事でお会いしましょう!チャオ!