右翼と左翼とは? 〜右派左派?中道?保守と革新?リベラル派?政治のスタンスを簡単解説!〜
政治の世界では、その国や政党の政策を表す時に「右」と「左」を使う時がよくあります。
「右翼と左翼」や「右派と左派」だけではなく、「保守と革新」「コンサバとリベラル」など、同じような意味の言葉がたくさんあります。
でも、これらの言葉って、使われ方によって微妙にニュアンスが異なる場合もあるのです!
ということで今回は、この「右と左」に関わる言葉を見ていきましょう!
それでは、レッツビギン!
目次
政治における「右と左」
きっかけは、フランス革命
この言葉の生まれは、1800年頃のフランスだと言われています。
この頃のフランスは、フランス革命によって、王政から共和制へと変わろうとしてりるときでした。
その時の国会で、議長席から見て右側に、これまでの王政を勢力が座り、左側には王政を廃しし、共和制を推す勢力が座りました。
ここから「右=今までの流れを守る人たち(保守派)」で「左=新しい流れを生む人たち(革新派)」と定義されました。
冷戦による「左右の対立」
この「左右の対立」が世界で最も顕著になったものが1940年頃から大きくなってきたアメリカとソ連の「冷戦」です。
当時の世界は、資本主義が浸透していました。言うなれば「資本主義=今までの流れ=保守」ですね。
しかし、1920年頃にソ連が成立すると、ソ連は「社会主義」を全面に押し出します。
世界では資本主義が当たり前ですから「社会主義=新しい流れ」ですよね。よって「社会主義=左」と位置付けられます。
これが、今現在の「右」と「左」のベースになりました。
現代の日本における右と左
でも、現代の政治はいろんな事柄がめちゃくちゃ複雑に絡みあっているので、簡単に「右」や「左」で言い表せなくなってきています。
例えば、日本の保守(右)政党といえば「自民党」で、革新(左)政党と言えば「共産党」で見てみましょう。
自民党は「国民の手当てよりも、経済の規模を大きくしよう!」というスタンスなので、日本ではより資本主義を体現している政党と言えます。まさに「右」寄りの考えですね!
一方の共産党は「経済の規模よりも、国民の手当てを厚くして、より平等な社会を目指そう!」というスタンスなので、社会主義寄りですね。これは「左」的な考えです。
「憲法改正」で見る「右と左」
でも、「憲法改正」で考えてみてください。
自民党は「憲法改正賛成派」で、共産党は「憲法改正反対派」です。
なぜ、「今までの流れを守る自民党」が憲法を変えようとしていて、「新しい流れを作る共産党」が憲法を守ろうとしているのでしょうか?これって矛盾ですよね?
この答えのポイントは「どこに基準を置くか」です。
例えば、日本国憲法が出来てから70年も経った今では、「憲法改正=今までの流れを断ち切る」になっちゃいますが、日本国憲法が出来て直ぐの1950年で考えると「憲法改正=今までの体制(戦前の体制)に戻す」ことになるのです。
で、この憲法改正問題も、1950年代からずーっと議論され続けていることです。
なので、初めは「日本を大日本帝国憲法のように戻して、今までの日本の体制を取り戻そう!」という保守派(右寄り)の考えが、今では「70年間変わっていない日本国憲法を変えちゃおう!」という感じになっちゃっているんですね!
もちろん今の自民党が「戦前の体制に戻そう!」や「大日本帝国憲法に戻そう!」と思っているわけではありません。これは「極端な例」だと思ってください!
んー・・・なんか無理やり感がありますし、ちょっとややこしいですね。
なのでもう、日本の政治で「右」や「左」が出てきたら、「自民党賛成!=右」「自民党反対!=左」で考えてもらえれば、ほとんど間違いないです。
日本の政治の「左右」の特徴
では、次に今の日本の「左右」はどのような感じでしょうか?
こちらをご覧ください!
ざっくり言うとこんな感じです。
上でもお話ししたように「自民党」が一番右よりに対して、「共産党」が一番左に位置しています。
では、具体的にはこの「左右」にどのような特徴があるのでしょうか?
見ていきましょう!
経済成長を取るか、格差是正を取るか
経済成長を取る「保守派(右)」
保守派の基本的な考えは「できるだけ政府は経済に関与しない」という特徴があります。
そのほうが、民間企業による競争や、個人間による競争で経済の規模が大きくなるからですね!
経済の規模が多くなれば、その分政府の収入も増えます。
そうなればそのお金を社会保障として国民に還元でき、みんなハッピー!となるわけですね!
ただ、これには「格差が発生する」というデメリットもあります。
格差是正を取る「革新派(左)」
資本主義の宿命といえるのが「格差」です。
なので、格差が生まれないように「お金持ちからたくさんお金を集めて、それをお金のない人に恵んであげよう!」というのが革新派の考えです。
そうすることにより、みんなが平等でハッピーに生活できるやん!ということですね!
しかし、お金を稼げば稼ぐほど政府に持って行かれる、というのは頑張る意欲が削がれちゃいますよね。
なので、「経済の規模が大きくなりにくい」というのが革新派(左)の特徴です。
貿易促進か、国内産業保護か
貿易促進を図る「保守派(右)」
保守派は基本的に「自由な経済活動のほうが良い!」と考えます。
これは貿易でも同じですね。
貿易に関税など制限を掛けずに、促進をしたほうが外国との競争も発生し、経済も成長していくのだ!というのが保守派の考えです。
国内産業を守る「革新派(左)」
「いやいや貿易活性化したら、国内の産業が他国に潰されるじゃないか!」という考えのもと、貿易を制限するのは革新派の考えです。
「国内産業を守る=保守」と考えたくなりますが、保守派が守るのはあくまでも「経済は自由であるべき!」という経済のルールです。
国益を取るか、国民の自由を取るか
国益を取る「保守派(右)」
国を発展させていくには、国民を縛るルールも必要になってきます。
そこで、保守派は「政府の権限を大きく」したり「軍隊を大きく」したりします。
国民の自由を取る「革新派(左)」
一方の革新派は、なによりもまず「国民の自由」を取ります。
政府の権限を大きくしたり、軍隊を大きくしたりすることは「国民の自由」を奪うことになりますので、革新派はそれを嫌います。
「国民の自由」と「経済の自由」
この2つは、似て非なる物です!混ざらないように気をつけましょう!
「国民の自由」:国民が国に監視されない、軍隊に行かなくてよい、言論の自由があるなど。
「経済の自由」:お金があれば、法を犯さない限り誰でも好きな商売ができること。
保守派は「経済の自由」を大事にし、革新派は「国民の自由」を大切にします!
以上のような点が、日本の保守派と革新派の大きな違いです!
それぞれの言葉の使い分け
では最後に「保守派と革新派」「右派と左派」「右翼と左翼」の使い分け方を見ていきましょう!
保守派と革新派
これは一般的に政党の立ち位置を示す時に使います。
保守は英語でいうと「コンサバティブ」。ファッションなどでもよく「コンサバファッション」なんて言ったりしますね。
でも、日本の政治で「コンサバ」という英語は正直あまり使いません。
革新派とリベラル派
よく「革新派」と同じ意味で「リベラル派」という言葉を使います。
ただ、実は意味が少し違います。
革新派は「今までの流れを変えようとする人たち」という意味ですが、
リベラル派は「格差や貧困をなくすためにも、積極的に政府が経済に介入しよう!と言う人たち」です。
なので結果的に、民進党も共産党も社民党も革新派でありリベラル派ですが、実は「革新派」と「リベラル派」は意味が違うのです。
右派と左派
「右派と左派」も「保守派と革新派」とほぼ同じ使われ方をされます。
ただ、単に「右派と左派」というと極端に感じられる時があるので、そんな時は「中道左派(基本中立だが、ちょっと左より)」のような使われ方もします。
一般的に、
- 自民党:中道右派
- 民進党:中道左派
- 共産党:左派
のような使い方をします。
右翼と左翼
これも意味的には「保守派と革新派」や「右派と左派」とは違いがあまりないですが、実際はディスる時によく使われますね!
「安倍は戦争に導く右翼だ!」や「民進党は韓国に操られてる左翼だ!」みたいな感じですね。
このように使われる時は、
「右翼:天皇万歳!戦争大好き!」
「左翼:今の政府なんてぶっ壊してやるよ!」
みたいな過激な意味を持つことが多いです。
以上、それではまとめにいきましょう!
まとめ
- 保守派・右派は「今までの路線を守るスタンス」
- 革新派・左派は「新しい流れをつくるスタンス」
- リベラル派は「政府が国民の格差や貧困を積極的に直していこうぜ!」というスタンス
- 右翼と左翼は批判的な意見をいう時に使う。
以上です!それではまた別記事でお会いしましょう!
チャオ!