経済政策とは? 〜金融緩和?マイナス金利?公共事業?国債?わかりやすく解説!〜
「経済政策」に関してのニュースを聞かない日はない、といっても過言ではないほど、経済政策は現代の政治に欠かせない要素の一つです。
財政政策、国債、売りオペ、買いオペ、公共事業、マイナス金利、金融緩和などなど、これらの言葉は全て「経済政策」に関わる言葉です。
ではこの経済政策とは、一体なんのことなのでしょうか?
それでは行きましょう!レッツ、ビギン!
この回では「景気」「インフレ」「デフレ」などの言葉が良く出て来ます!
この記事を読む前に、こちらの記事を読んでいただけますと、より一層理解できます!
経済政策とは?
経済政策の目的
経済政策の目的とは、「景気を良い状態に安定させること」です。
行う機関は、主に「政府」と「中央銀行」です。
中央銀行とは、日本で言う「日本銀行(日銀)」のことですね。
日本銀行:みずほやUFJなどの民間銀行を統括する「銀行のボス」みたいなもの。日本で唯一お札を作ることができる機関です。
例えば「景気が悪い」ときは「景気回復の経済政策」を、
逆に「景気が良すぎる」場合もそれはそれでまずいので、「景気を落ち着かせる経済政策」を行います。
経済政策の基本的な考え方
景気が悪い(デフレ)時
景気が悪い(デフレ)時は、国民や企業にもっと買い物をしてもらうように、対策を打ちます。
国民や企業のお買い物(消費)が増えれば、世の中のお金の流れが活発になり、景気も回復していきます。
具体的な方法は後述しますね!
景気が良すぎる(インフレ)時
景気が良すぎることもダメなことなので、このときは逆に、国民や企業にお金をあまり使わせなくし、貯金をするように勧めます。
そうすることにより、市場でのお金の流れが悪くなり、景気も落ち着く(安定する)ようになります。
ということで、具体的な手段を見ていきましょう!
経済政策の手段
経済政策は、主に下の2種類に分かれます。
- 政府が行う「財政政策」
- 中央銀行(日銀)が行う「金融政策」
です。
財政政策
ではまず政府が行う財政政策から見ていきましょう!
公共事業
不景気時には、道路やダムなどを作る公共事業が増えます。
この原理を、「100億円で橋が作られる」の例で見てみましょう。
まず、橋を作るゼネコン会社に政府は100億円の支払いをします。
そうすると、そのゼネコン会社や下請け業者はその分儲かります。
儲かった分は、社員のボーナスや企業の広告費や設備投資に回されます。
そうなると「消費活動が活発になる」につながりますよね。
さらに、社員がボーナスで買った商品の会社も儲かりますよね。
じゃあその会社の給料もあがり〜と好循環が発生するのです!
これが、公共事業のカラクリですね!
ちなみに、2016年度の日本の公共事業予算は5兆円です!
税金の上げ下げ
景気が悪いときは、税金を下げます。
税金を下げると、国民も企業も財布に余裕ができ、消費が拡大します。
最近では、アベノミクスによって法人税が引き下げられたりしました。
逆に、景気が良すぎるときは税金を上げ、国民と政府のお財布を固くします。
景気が悪いのに消費税増税?
ここ数年の日本の景気は良いとは言えません。なのになぜ消費税は8%に増税したのでしょうか?
それは、高齢化対策です。高齢者の数がめちゃくちゃ多くなったので、年金や介護など高齢者向けの出費が非常にかさみ、国のお金が足りなくなっちゃいました。
なので、不景気なのであまりやりたくはない「消費税増税」を泣く泣くしなければならなくなった、ということですね。
金融政策
では次に、金融政策を見ていきましょう!
金利の上げ下げ(公定歩合操作)
私たち国民がみずほやUFJなどの民間銀行口座を持っているように、民間銀行は日銀(日本銀行)に口座を持っており、その口座をベースに商売をしています。
で、その日銀の口座の金利を上げたり下げたりすることによって、経済をコントロールするのです。
このことを、公定歩合操作と呼びます。
例えば、金利が上がれば「貯金していると、よりお金が増える」ようになるし、「借金すれば、より多くの利子を返さないといけない」ようになります。
逆に、金利が下がればh雨「貯金してもお金が全然増えない」ですが、お金を借りても「利子が少なくなる」ようになります。
従ってインフレの時は「金利を上げ」、お金を借りにくくし、貯金を推奨することによって、消費を抑制します。
逆に、デフレの時は「金利を下げ」、お金を借りやすくし、貯金にメリットを与えないことにより、消費を促進します。
今の日本は、長期のデフレにより金利は極限までゼロに近いです。というよりもマイナス金利なんてものもありますね。
マイナス金利とは?
マイナス金利とは「民間銀行が日銀に預けているお金の一部の金利がマイナスになる」というシステムです。
これによって民間銀行は、日銀にお金を預けているだけで、お金が少なくなっていくのです。
従って、民間銀行はできるだけ日銀への預金を少なくし、その分企業や個人へ貸し付けることによって、世の中のお金の周りを活発にしようぜ!ってことですね。
日銀の金利と民間銀行の金利は繋がっている?
消費活動を行うのは、国民と企業です。でも、国民も企業(銀行以外)は日銀の口座なんて持ってないので、日銀の金利調整の影響はあるのでしょうか?
実は、日銀と民間銀行の金利は「ほぼ」連動しています。
日銀が金利を上げ下げすると、民間銀行もそれに合わせて金利を上げ下げします。
なのでこの「金利の上げ下げ」の金融政策が意味をなすのですね。
国債などの売買(公開市場操作)
また、国債などを日銀が売買して、市場に回るお金の量を調整することも、大きな金融政策です。このことを公開市場操作と言います。
国債とは?
国債とは、国の借金のことです。
国債には60日〜40年の国債があり、10年国債だと、買ってから半年ごとに利子を受け取り、10年後には買った金額が戻って来る、というものです。
公開市場操作には、「売りオペ」と「買いオペ」があります。
「売りオペ」は、日銀が持っている国債などを、民間銀行に売ることです。
日銀は国債を売り、民間銀行はその代金を現金で支払います。
そのため、民間銀行が持っているお金が減り、銀行は一般企業にお金を貸しにくくなります。
そのため、「消費を抑えたい時(インフレ時)は、売りオペを行います。
一方の「買いオペ」は、日銀が民間銀行が持っている国債などを買い取ることです。
日銀は国債の代金を現金で支払う為、民間銀行はその分の現金を獲得します。
そうすると、民間銀行は一般企業にお金が貸しやすくなります。
その為、消費を活発にさせたい時(デフレ時)は、買いオペを行います。
日銀の国債の売買に強制力はあるのか?
日銀が民間企業に国債を「売る」や「買う」ことに強制力はありません。
ただ単に、日銀が民間企業に「買いたくなる価格」や「売りたくなる価格」を提示ているので、この公開市場操作は成り立っています。
金融緩和と金融引き締め
最後に、この言葉も解説します!ニュースでよく聞く「金融緩和」と、その逆の意味の「金融引き締め」です。
金融緩和
金融緩和とは、日銀が「金利の引き下げ」や「買いオペ」などで世の中のお金の量を増やすことです。
デフレ時に、景気に刺激を与える為に行います!
金融引き締め
逆に金融引き締めは、日銀が「金利の引き上げ」や「売りオペ」などで世のなかのお金の量を減らすことです。
インフレ時や景気が良くなりすぎた時に、それを抑える為に行います!
以上!それではまとめます!
まとめ
- 経済政策とは、政府や中央銀行(日銀)が「景気をいい感じにする為」に行う政策。
- 経済政策は、政府が行う「財政政策」と、中央銀行が行う「金融政策」の2種類。
- 財政政策は「公共事業」や「税金の上げ下げ」など。
- 金融政策は「金利の上げ下げ」や「公開市場操作」など。
- 不景気(デフレ)時に行う金融政策は「金融緩和」。
- 景気が良すぎる(インフレ)時に行う金融政策は「金融引き締め」。
以上になります!
それでは今回はここまで!また別記事でお会いしましょう!チャオ!