景気とは? 〜景気?デフレ?インフレ?わかりやすく解説!〜
経済のニュースでよく聞く「景気」という言葉。
もちろん「景気が良い」っていいことですよね。逆に「景気が悪い」はダメなこと。そんなことはみんな知っていることですよね。
でも、この「景気」ってなんなのでしょうか?
この質問、案外答えられる人って少ないんですよ。
実はこの「景気」って言葉、知ってそうで知らない言葉なんですよね。
また、「インフレ」や「デフレ」という言葉もよく耳にすると思います。
そこで今回は、「景気」や「インフレ」「デフレ」について解説します!
それでは、レッツ、ビギン!
目次
景気とは?
景気とはズバリ「市場でのお金の流れ具合」です。
「市場のお金の流れ具合が良い時」は好景気で、
「市場のお金の流れれ具合が悪い時」は不景気です。
うーん。「市場でのお金の流れ具合」という言い回し、ちょっとピンとこないですね!
では、好景気時の「市場でのお金の流れ」を見ていきましょう!
好景気=お金が市場でよく回る!
「お金が市場で回る」ということは「消費活動が活発になる」ということです。
簡単にいうと「みんながたくさん買い物をする」ということですね!
この「みんながたくさん買い物をする」ということは、経済でめっちゃくちゃ大切なんです。
「たくさん買い物をする」ということは「商品がよく売れる」こと。
「商品がよく売れる」ということは「会社が儲かる」ということ。
この「会社が儲かる」ことによるメリットが3つあります!
1:社員の給料が上がる!
給料が上がれば、今までに買えなかった商品も買えることになります。
そうすれば、その商品を扱っている会社も儲かりますよね。
じゃあ、その会社の社員の給料もあがるのです!
これがメリット1!
2:新しい雇用が生まれる!
たくさん商品が売れれば、企業はより商品を生産するために新しい人を雇います。
また、会社が儲かれば新しい商品を開発したり、新しい部門を作ったりする余裕も出てきます。そうなれば、従業員もさらに必要になってきますね!
「新しい雇用が生まれる」ということは「今まで収入が無かった人が、お金を持つ」ようになります。
そうなれば、さらに消費活動も活発になりますね!
3:会社の買い物も増える!
会社が儲かれば、会社もたくさん買い物をします。
例えば、商品をもっと売るための広告や、商品をもっと作るための機械を買ったりします。
そうなれば、広告会社や機械メーカーも儲かりますよね!まさに好循環!
以上のような流れが「市場にお金が回る」ということです。まさにハッピーづくし!
不景気=お金が市場で回らない!
逆に不景気の時は、お金が市場であまり回らなくなります。
別の言い方をすれば、「消費活動が停滞する」と言えます。
不景気の時は、みんながあんまり買い物をしなくなるのですね。代わりに貯金するようになります。
では、みんなが買い物をしなくなれば、世の中はどうなるでしょうか?
「あまり買い物をしない」ということは「商品があまり売れない」こと。
「商品があまり売れない」ということは「会社が儲からない」ということ。
「会社が儲からない」と、たくさんのデメリットがあります。
1:社員の給料が下がる・・・
給料が下がれば、さらに買い物をしなくなります。
そうすれば、他の会社の商品も売れなくなり、その会社も儲からなくなり、従業員の給料もカットされちゃいます・・・
2:リストラが多くなる・・・
商品が売れなければ、企業はコスト削減や事業縮小の為に、社員をリストラしちゃいます。
そうなれば、さらに消費活動も落ち込んでいきますね・・・
3:会社の買い物も減る・・・
会社が儲からなければ、広告費を削ったり、設備投資などを控えたりします。
そうなると、また別の会社も儲からなくなります・・・・
以上のような流れが「市場にお金が回らない」ということです。テンション下がりますね・・・・
インフレとデフレ
では次に、インフレとデフレを見ていきましょう!
インフレとデフレとは?
インフレとは「インフレーション」の略で「全体的なモノの値段(物価)が上がること」で、
デフレとは「デフレーション」の略で、「全体的なモノの値段(物価)が下がること」です。
では、どのような時にインフレになるのでしょうか?
ここからは「需要と供給と価格の関係」が多く出てきます。
需要と供給と価格の関係に関しては、こちらの記事で解説しています!ご覧ください!
インフレの原因
需要が上がってのインフレ
これは「良いインフレ」です。
好景気の時は、上でお話したように、給料が上がっていきます。
給料が上がると、消費活動も活発になります。
消費活動が活発になるということは、需要が上がる、ということですね!
そこで、「需要と供給と価格の関係」により、物価も上がっていくのです。
この場合は、「給料も物価も両方上がっている」ので、問題ではありません。
供給が下がってのインフレ
これは例えば、「大災害などで多くの工場が停止した時」などに発生します。
工場が停止すると、商品を生産できなくなり、市場への供給量が下がります。
そこで、「需要と供給と価格の関係」により、物価も上がっていくのです。
この場合は、「給料は同じなのに、物価が上がるだけ」なので、国民の生活が苦しくなります。悪いデフレです。
このような「供給が下がってのい悪いインフレ」をスタグフレーションとも呼びます。
貨幣が増えてのインフレ
これは「国が何らかの意図で、新たにお金をたくさん印刷した時」に起こるインフレです。
「世の中のお金の量が増える」ということは、「お金の価値が低くなる」ということです。
これは需要と供給の関係でも証明できますね。
「お金の量が増える」=「お金の供給量が増える」=「お金の価格(価値)が下がる」という流れです。
例えば、お金の価値が半分に下がったとすると、今まで100円で買えたリンゴが、200円になっちゃいます。
このように、お金の量が増えると、インフレになります。
昔(戦争をバカスカしていた頃)は、戦争の資金を国が調達するために、アホみたいな額のお金を発行して一気にめちゃくちゃインフレで経済大混乱!なんてことはよくありましたが、ここ最近はそんなに多くはないです。
そのように「一気たくさんのお金を刷って、いきなりインフレ!」は経済が不安定になるだけですが、「適度にお金を刷って、適度なインフレを目指す」ことは、下でお話するように「デフレ脱却」のための経済政策をして行われます。
デフレの原因
では次に、物価が下がる「デフレ」はどのような時になるのでしょうか!
需要が下がってのデフレ
デフレの主な原因は「需要が下がる」こと、言い換えれば「国民があんまりお買い物をしなくなる」ことです。需要と供給の関係で、需要が下がれば価格も下がるためですね!
現在、日本は慢性的なデフレに悩まされています。
その原因の一つが、少子高齢化。
少子高齢化のため、将来に年金を受けとれる額が少なくなるかもしれない、という部分です。
将来年金があまり受け取れないとなると、老後のために貯金をしなければならないですよね。
「貯金をする」ということは、その分「買い物もしなくなる」ということです。
買い物をしないと、会社が儲からない。
会社が儲からなければ、給料が下がる。
給料が下がれば、さらに買い物をしなくなる。
そうなればさらにお金が市場に回らなくなり、物価も下がり続け、経済も停滞に・・・
という負の連鎖が始まっちゃいます。これがいわゆる「デフレスパイラル」ですね!
デフレスパイラルに陥ってしまうと、国の経済が弱くなり、国民の生活も苦しくなります。
そんな時こそ、政府の出番です!
政府や日本銀行が「公共工事」や「金融緩和」などの「経済政策」を行うことにより、市場のお金の回りを良くし、デフレ脱却を試みます。
いわゆる「アベノミクス」は、デフレ脱却のための「経済政策」です。
経済政策に関しては、こちらの記事で解説しております!ご活用ください!
インフレとデフレ、どっちがいい?
一般的には、「インフレ=景気がいい=いいこと」で、「デフレ=景気が悪い=悪いこと」という認識も強いですが、もちろんそうとは限りません。
インフレの中でも悪いインフレがあります。
それが、上でもお話したように、「供給が下がってのインフレ」などの国民の生活が苦しくなるスタグフレーションであったり、一気にめちゃくちゃ物価が高くなる「ハイパーインフレーション」などです。
2000年代でのジンバブエでのハイパーインフレーションは非常に話題になりました。
なんと2009年には100兆ジンバブエドル紙幣が発行されるという、超スーパーウルトラハイパーインフレでした。
景気も同じく「良すぎる」のはあまり良くありません。
景気が良すぎると、物価も継続的に上がっていきます。
景気が良い間は、物価とともに給料も上がっていくので問題はありませんが、リーマンショックのような世界的な大不況や、大きな自然災害などが発生した場合、景気が良ければ良いほどその反動は大きくなります。
ですので、経済的な理想的な状況は、
「景気も物価も、緩やかに上昇しつつ、安定している」
という状況なのです。
まとめ
それでは、今回のまとめにいっちゃいましょう!
- 「景気がいい」とは「市場でお金が良く回っている」ということ。
- 「景気がいい」とは「国民がたくさん買い物をする」ということ。
- 「景気が悪い」とは「市場にお金が回っていない」「国民があまり買い物をしない」こと。
- 「インフレ」とは物価が上がることで、「デフレ」は物価が下がること。
- インフレが良いとは限らない。良いのは「適度なインフレ」。
以上になります!
それではまた別記事でお会いしましょう!チャオ!