日本国憲法って、どんな憲法? 〜戦争放棄?基本的人権?アメリカの押し付け憲法とは?わかりやすく解説!〜 | SayGee!![セイジー!] | 政治・選挙の基礎から最新ニュースまで、わかりやすく解説!
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日本国憲法って、どんな憲法? 〜戦争放棄?基本的人権?アメリカの押し付け憲法とは?わかりやすく解説!〜

  • 政治の基礎
  • 近年、憲法改正や違憲問題などで、なにかと話題の日本国憲法。

    憲法は、日本で一番大事なルールです。なので、中学校や高校では必ず勉強しましたよね。

     

    でも、中学生高校生の勉強なんて、数年もしたら絶対に忘れちゃいます!

    てことでここでもう一度、日本国憲法について学んじゃいましょう!

     

    それでは、レッツビギン!

     

    日本国憲法の特徴

    まず、日本国憲法の根本的な特徴としては、「自由」「権力の制限」「最高法規」の3つがあります。

     

    国民の自由

    日本国憲法の一番のテーマは、なんといっても「自由」です。

    そのため、「思想の自由(19条)」や「表現の自由(21条)」「学問の自由(23条)」など、自由にまつわる項目が、日本国憲法にはたくさんあります。

     

    国家権力の制限

    「自由を大切にする」ということは、「他人の自由を邪魔してはいけない」ということにもつながります。

    そのため、国が国民の自由を邪魔できないように、「国家権力の制限」も大々的に宣言しています。

    その代表的なところが「天皇は政治的権力を持たない(4条)」ってやつですね!

     

    最高法規

    日本国憲法は、国の「最高法規」とされています(98条)。

    その為、法律などの国内の他のルールはもちろん、外国とのルール(条約や国連憲章)でさえも、憲法に反することは許されません。

    また、裁判官であろうと、総理大臣であろうと、天皇であろうと絶対に憲法は守らなくてはいけません(99条)。

     

    日本国憲法の内容

    では、そんな憲法の内容をもう少し具体的に見ていきましょう!

    日本国憲法は「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3つの柱から成り立っています。

     

    国民主権

    国民主権は、「主権(政治を行う権利)は国民が持ち、国民中心の国にしよう!」という考えですね!

    天皇

    国民主権の為、天皇は政治的権力を持たず(第4条)、あくまでも象徴に過ぎません(1条)。

     

    代表制

    国民が政治を行う!と言っても国民全員が政治には携われないので、国民の中から選挙によって選ばれた代表(国会議員)が実際に政治を行う代表制(間接民主主義)を採用しています。(43条・65条・67条)

     

    基本的人権の尊重

    憲法で記されている人権には、大きく分けて「自由権」「社会権」「参政権」「受益権」の4つがあります。

    自由権

    一言で自由と言っても、「精神的な自由」「経済的な自由」「肉体的な自由」の3種類の自由があります。

    精神的な自由は「なんでも考えてもいいし(19条)、なんの勉強してもいいし(23条)、どの宗教を信仰してもいいよー!(20条)」など、

    経済的な自由は「やりたい仕事してもいいよー!(22条)」など、

    肉体的な自由は「不当な拘束はダメ!(18条・34条)」などですね!

     

    社会権

    現代社会で人として生きて行くために「どんな人でも最低限の生活を送ることができる権利(25条)」「教育を受ける権利(26条)」などがあります。

    このアイデアの元、国は学校を建てたり、生活保護や年金のようなシステムを運営します。

     

    参政権

    文字通り、「政治に参加する権利(15条)」ですね!

     

    受益権

    ちょっとややこしそうな名前ですが「国民が国になにかを求める権利」です。

    例えば「裁判を受ける権利(32条)」や「国のせいで損害を受けたら、賠償を求める権利(17条)」があります。

    これがあるので、「政府の方針に精神的苦痛を感じたので、賠償してくれない?」といった裁判がしばしば行われております。

     

    自由は自由でも、制限がある!

    以上のように、日本国憲法では「自由」が非常に手厚く保証されています。

     

    しかし、自分の自由が、他人の自由を犯してしまう場合があります。

    例えば、デモ行進。

    デモ行進をして何を言おうが、それは「表現の自由(21条)」で保証されています。

    しかし、デモ行進で道路を封鎖し交通を妨げれば、他人からしたら超迷惑ですよね。これが「他人の日常生活の中の自由」を侵害することになるのです。

    ですので日本国憲法では、「他人に迷惑がかからない中での自由」のみ認めていることになります。(13条・公共の福祉)

     

    平和主義

    最後の柱は、平和主義!みなさんお馴染みですね!

    戦争放棄

    いわゆる「軍隊も持たないし、戦争もしない。」ってやつですね。第9条です。

    ここで話題に挙がるのが「自衛隊」です。「自衛隊って、軍隊やん!」というツッコミですね!

     

    その言い訳としては、この9条、「戦争とか相手への攻撃のための軍隊は持たない」って書いてあるのですね。

    なので、「自衛隊は、戦争とか攻撃のための軍隊じゃなくて、あくまでも自国を守るための組織なので、問題無し!」とされています。

     

    日本国憲法の成り立ち

    では次に、日本国憲法の成り立ちを見ていきましょう!

    上でもお話ししましたように、日本国憲法は「日本の最高法規」ということで、現在の日本の原点のようなものです。

    しかし、そんな日本国憲法は、アメリカと非常に強いつながりがあるのです。

    日本国憲法が作られるきっかけ

    日本国憲法ができる前までの憲法といえば、1889年に完成した大日本帝国憲法(明治憲法)です。

    しかし、1945年8月に戦争に負けると、日本はマッカーサー率いるGHQによって統治されるようになります。

    そして統治が始まってから約2ヶ月後の10月には、マッカーサーが日本政府に「新しい憲法を作りなさい」と言ってきたのですね。

    GHQ側の思惑としては、「天皇主権なんてしているから、暴走するのだ。もっと民主的な憲法を作ろうぜ!」といった感じです。

     

    これが、日本国憲法が生まれるきっかけなのです。

     

    日本国憲法はアメリカの案?

    そんなこんなで、敗戦から2ヶ月後の1945年10月頃から、日本の政府や各政党は日本国憲法の案を作りはじめます。

     

    そんな中、草案作りから4ヶ月がたった1946年2月1日、とある事件が発生しました。

    毎日新聞社が、政府の憲法案をスクープ記事として新聞に載せたのです。

    そしてこの改正案は、GHQが望む「国民主権」とはまだまだ遠かったので、この記事を見たGHQのお偉い人たちは怒っちゃいました。「モーウ!ニホンニケンポウヅクリ、マカセテラレマヘーン!」と。

    その後、マッカーサーさんは独自の憲法作成チームを作り、「マッカーサー草案(GHQ案)」を作りました。で、その案を元に現在の日本国憲法が完成したのです。

     

    このような流れから、しばしば日本国憲法は「アメリカの押し付け憲法だ!」と批判されるのです。

     

    天皇制が続いているのは、マッカーサーのおかげ?

    毎日新聞のスクープ記事の後、マッカーサーがいきなり憲法作成に首を突っ込んできたのには、別の理由もあります。それは、「極東委員会」の存在です。

    マッカーサーをGHQのトップに任命したのも、この極東委員会です。

    極東委員会は、英・米・カナダ・豪・仏・ソ連など11カ国から組織されており、当時、日本国憲法はこの極東委員会の審査をパスする必要がありました。

    そしてマッカーサーは「日本の戦後復興のためには、天皇主権はダメだけど、天皇制自体を廃止してはいけない」と考えていました。(理由は諸説ありますが、明確な部分は未だ不明です。)

    だが、極東委員会の中の数国(特にオーストラリアとソ連は)天皇制廃止を希望していたので、マッカーサーは、極東委員会に横槍を入れられる前に、日本国憲法をできるだけ形にしとこう!と思いました。

    できるだけ形にしちゃえば、それで極東委員会をごり押してパスさせるぜ!って作戦ですね。で、結果的にはこの作戦が成功しました。

    なんにせよ、現在も天皇制が続いているのは、良くも悪くもマッカーサーのおかげなんですね!

     

    まとめ

    それでは、今回のまとめにいっちゃいましょう!

    • 日本国憲法の根本的なアイデアは「国民の自由」「権力の制限」「国の最高法規」の3つ。
    • 内容的には「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3つの柱を中心に作られている。
    • 敗戦後、GHQの指示によって憲法作りが始まった。
    • 日本国憲法は「マッカーサー草案」をベースに作られた。

    以上になります!

     

    それでは、今回はここまで!

    また別記事でお会いしましょう!チャオ!