憲法改正は、何が問題? 〜自民党草案?3分の2?改憲勢力?憲法改正をわかりやすく解説!〜
最近何かとメディアを賑わす「憲法改正」。
「改憲勢力が3分の2を超えた」や「自民党の憲法草案」や「憲法審査会」などのワードが日々ニュースで飛び交っています。
そこで、今回はこの「憲法改正」にフォーカスを当てて、
「なぜ憲法改正がこんなに話題になっているのか?」
「憲法はどのように変わるのか?どのような議論がされているのか?」
という部分を見ていきましょう!
それでは、レッツビギン!
憲法に関しての概要は、こちらの記事でご説明しております!どうぞご覧くださいませ!
目次
憲法改正の概要
「史上初」の憲法改正?
この憲法改正、なぜこんなに話題になっているかというと、ずばり「今まで日本では憲法改正が行われたことがない」からです。
日本国憲法は1946年に作られましが、なんと70年以上も憲法が改正されておりません。
こんなに憲法が改正されないのは、世界でみても非常に珍しいです。
なので、もし改正するとなれば、間違いなく歴史に残るほど、重大なことになるのです。
これが、こんなにも話題になっている所以ですね!
高い憲法改正のハードル
でも「憲法を改正しようぜ!」という動きは、今に始まったことではありません。
実は、数十年前からずーっと「憲法改正」に関しての議論は存在してます。
でも、憲法を改正するには2つの超高いハードルがあり、なかなかそれを超えることができず、憲法改正は現実味を帯びてませんでした。
しかし、2016年7月には、久々に一つ目のハードルを超えたので、憲法改正が一気に現実的になってきたのですね!これも、昨今メディアを賑わしている理由の一つです。
では、その「憲法改正の2つのハードル」をみていきましょう!
1:衆・参ともに憲法改正派が3分の2以上
まずはこれ!
憲法改正をするにはまずは国会で案を作り、その案に衆議院と参議院のそれぞれで、賛成の人が3分の2以上いないといけません。
賛成、反対の数は主に「賛成の政党」と「反対の政党」の議席数によって決まります。
今までは、どちらか一個は3分の2を超えているが、もう一方では超えていない、という状況が続いていたのですが、2016年の参議院選挙で、衆議院・参議院ともに改憲勢力が3分の2を超えました。
2:国民の過半数が賛成
国会にて、衆議院・参議院ともに憲法改正案が3分の2以上の賛成で可決されたのならば、次は国民投票です。
この国民投票で、有効投票の過半数以上の賛成をとれば、憲法は改正することになります。
日本は今までに「国民投票」をしたことは一度もありません。なので「国民投票で過半数以上」は難しいか簡単かを言い切ることは出来ませんが、おそらく非常に難しいでしょう。
なぜ憲法改正のハードルは高いのか?
憲法は、国の最高法規で、日本では誰よりも何よりも力の強いルールです。
そんな憲法がコロコロ変わっていては、政治もおぼつかなくなります。
ですので、憲法改正のハードルは非常に高いのです。
改憲賛成派と反対派
では次に、「どの政党がどのように憲法を変えたいと思っており、どの政党が憲法改正に反対しているのか」をみていきましょう!
まずは、こちらをご覧ください!
このように見ると、「絶対賛成派」「やや賛成派」「やや反対派」「絶対反対派」の4グループにわかれますね。
ということで、グループ別にみていきましょう!
絶対賛成派
自民党
まずは絶対賛成派を代表する自民党から。
自民党の意見としては、
- 憲法は、時代に合わせて改憲していくべきだ!
- 自衛隊の定義が曖昧すぎる。国防軍のしよう!(でも、戦争はもちろんダメ!)
- 北朝鮮やテロなど、国際的な脅威に対処するため、万が一の緊急時には、政府の権力を大きくできるようにしよう!
という特徴があります。
自民党の狙いとしては、自衛隊のできることを広げていこう!という点があります。
でも、もちろん戦争には参加しない!とははっきり言っています。
日本のこころを大切にする党
日本のこころも、憲法の内容は自民党のようなものですが、改正の理由が特徴的です。
- 日本国憲法は、GHQ主導でつくられたものであるため、日本の国柄が反映されていない。だから、「日本人の手による憲法」を作るべきだ。
という特徴があります。
いわゆる「押し付け憲法」を変えよう、という考え方ですね。
「押し付け憲法」に関してはこちらの記事をご覧ください!
日本維新の会
日本維新の会は、改憲勢力の中でも、自民党や日本のこころとは大きく内容が異なります。
自民やこころのメインの関心ごとは、いうまでもなく「9条」です。
しかし、維新の特徴としては、
- まずは保育所〜大学院までの教育費を無償化しよう!
- 東京一極集中をなくすために、道州制にして地方に権力を分散しよう!
- 憲法にまつわる問題の判断をする「憲法裁判所」を作ろう!
という点です。
「9条は、難しいから一旦置いとこう。それより、もっと身近な問題から取り組もうぜ!」と、我が道を行っていますね、日本維新の会。
やや賛成派
公明党
公明党も、憲法の内容に関しては自民党寄りの考え方ですが、自民党と決定的に異なる点もあります。
公明党の特徴としては、
- 今の憲法は基本的には良いが、時代にそぐわない部分もある。なので、内容を変える「改憲」よりも、必要なことを追加する「加憲」で十分じゃないか。
という点ですね。
「今の憲法もいい憲法だから、わざわざ変えるまでもしなくてよい」という意思が見えます。
反対派
次は反対派をみていきましょう!
共産党、社民党
共産党と社民党は非常に意見が似ているのでまとめております。
特徴としては、
- そもそも国民は憲法改正を求めていない。
- というより、安保法や自衛隊のPKO活動がそもそも憲法に反している。憲法を変えるのではなく、政策を変えるべきだ!
という点です。
「改憲の必要なし」と一刀両断しています。
やや反対派
最後は「やや反対派」の民進党。
民進党の意見としては、
- 集団的自衛権を認めたことや、安保法がそもそも憲法に反している。憲法に反した政策を取っている自民党主導で憲法を改正するなんて、有り得ない。
という点です。
上の文を見る限り、民進党は「やや反対」というよりは「全力で反対」してますよね。
なぜ私が民進党を「やや反対」にしたかというと、民進党って、憲法を変えること自体については賛成なんです。
でも、自民党(特に安倍内閣)とは考え方が全く違うので、現在の安倍政権の元で憲法改正をすることには、全力で反対しています。
なので、共産党や社民党のように「憲法改正自体に反対」というわけではないので、民進党は「やや反対」にしております。
政党別スタンスのまとめ
このように、憲法改正に関しては一言で「反対」や「賛成」とは言いがたく、それぞれの中でも政党ごとの「目指す先」があるのですね!
これからの流れ
まずは憲法審査会から
まずは、衆議院と参議院それぞれの憲法審査会(憲法の委員会のようなもの)で議論をします。
「委員会」に関してはこちらの記事からご参照ください!
参議院の憲法審査会は11月16日から、衆議院の憲法審査会は11月17日から始まりましたが、民進党、共産党、社民党がフルパワーで反対しまくっていますので、なかなか議論は進まないでしょう。
与党側(自民党側)が憲法改正をゴリ押しすればなんとかなるのでしょうが、野党が全力で拒否してるところをゴリ押しとなれば、自民党のイメージは100%下がります。
一体どのような駆け引きをお互いが仕掛けてくるのでしょうか。
目が離せませんね!国会!
で、憲法審査会で案がまとまったら、それを本会議にかけて、2分の3以上の賛成があれば国民投票へ、という流れにつながります。
まとめ
それでは本日のまとめにいきましょう!
- 日本国憲法は70年間一度も改正したことがない、世界的にも珍しい憲法。
- 改憲には「衆参で3分の2以上」と「国民投票で過半数以上」の賛成が必要。
- 政党別の憲法改正別スタンスをみると、「賛成」「やや賛成」「やや反対」「反対」の4グループに分けることができる。
- 同じ賛成組でも、同じ反対組でも政党によってそれぞれがメインに重きをおくポイントは異なる。
以上になります!
それでは今回はここまでにしましょう!チャオ!