アベノミクスって結局なに? 〜金融緩和?財政再建?一億総活躍?わかりやすく解説!〜
さて、2012年12月に自民党が民主党から政権を奪い返ししてから、2016年12月で4年が経過しました。
この4年間、日本の総理大臣は安倍晋三さんです。
単純計算で4年×365日で約1500日も安倍内閣が続いているのです。
これって戦後の日本で考えると、歴代5番目の長さなんですね!
そんな安倍さんの軸となる政策といえば「アベノミクス」です。
そこで、今更聞けないこの「アベノミクス」一緒に振り返ってみましょう!
それでは、レッツビギン!
この記事では「アベノミクスとはどの様な政策か?」という点を解説しています。
「アベノミクスの結果」に関しては別記事で解説いたします!どうぞよろしく!
目次
アベノミクスとは?
概要
アベノミクスとは、2012年12月に発足した「第二次安倍内閣」の政策の基本として発表されたものです。
その後、2015年の9月には「アベノミクス第二のステージ」も発表しました。
各それぞれ「3本の矢」からなっています。
内容はこんな感じ!
んー!こう見ただけではなんのこっちゃかわかんないですね!
でも、ここで覚えて欲しいのは、「アベノミクスには第一ステージと第二ステージの2段階がある」ってことです。
なぜなら、この2つのステージは、それぞれの目的が全く違うからです。
その目標とは、第1ステージは「経済の大きくすること」で、第2ステージは「国民の生活を直接的に支えること」を目標としている点です。
それではそれぞれのステージを、細かく見ていきましょう!
第1ステージ:経済再建(2012年12月〜)
経済再建とは?
1990年代初めに起きた「バブル崩壊」によって、日本経済は「デフレ」に陥り「不景気だ!」と言われ続けて言われました。
不景気なので、国も企業もあまり買い物をしなくなります。そうなると、国としての収入(税収)も少なくなります。
でも、日本は少子高齢化なので、日に日に高齢者の手当ては増えていきます。出費は多くなるけど、収入は増えないのです。
そんな国が取る方法が「国債を発行する」、いわゆる「借金して、自転車操業で国を運営する」という方法ですね。
自転車操業が続いて良いハズがありません。
そんな日本経済を、安倍さんは「アベノミクスで立て直して、好景気にするぜ!じゃあ国民もハッピーになれるぜ!」と言ったのですね。
これが「アベノミクスによる経済再建」です。
では、具体的には何をしたのでしょうか?
アベノミクスでは、この方法を「矢」に準えて言っています!
第1の矢:大胆な金融政策
これは「日銀にお願いして、金利を下げてもらったり国債をいっぱい買い取ってもらったり(買いオペ)して、市場にお金をジャブジャブ流そうぜ!」
というものです。
お金を流れやすくする、ということで「金融緩和」ともいいますね!
この金融緩和を通じて「2%のインフレ目標」を建てました。
ではこんな金融緩和、どんな効果があるのでしょうか?
メリット1:消費活動が活発化!
デフレの大きな原因の一つは「みんなが買い物をしなくなること」です。
なので、市場にお金をたくさん流し込めば、その分従業員の給料が上がったり、企業がお金を借りやすくなります。
従業員の給料が上がれば、その分たくさん買い物をするようになるし、企業がお金を借りやすくなれば、その分企業のお買い物(設備投資や広告など)も増えますよね!
消費が活発化すると、お金の流れよくなり、景気も上向きになってきます!
景気の仕組みについては、こちらの記事を見ていただくと、より一層理解が深まります!
メリット2:円安=輸出が増える=日本が儲かる!
また、市場にたくさんお金があると、お金の価値が下がっていきます。
その理由を超簡単に言うと「たくさんあるものは(供給が多い)ものは価格が安く、少ないもの(供給が少ない)ものは価格が高くなる」という「需要と供給のルール」です。
従って、日本円の価値が低くなります。そう、円安ですね。
円安になると、日本の輸出企業が強くなり、日本製の商品が海外にバカバカ売れることになります。
てことは、「日本が海外からお金を巻き上げられる」ということです。日本のお財布がホクホクになりますね!
そうすることで、経済が活性化しデフレ脱却!という作戦ですね!
第2の矢:機動的な財政政策
第1の矢は、日銀が行う「金融政策」のことでした。
一方、この第2の矢は、政府が行う「財政政策」についてです!
「金融政策」と「財政政策」の詳細などはこちらの記事をご参照ください!
具体的には、公共事業をバンバンして、建設会社に儲けてもらおう!というものですね!
建設会社が儲かることによって、従業員や会社の消費活動があがり、経済活性化!という狙いですね!
また、この時期の日本では、2011年の東日本大震災もあり、防災の意識が非常に高くなっていました。
その防災対策としての工事をたくさんしていこう!ということから「国土強靭化」という名でこの「大規模な公共工事」も行われています。
第3の矢:民間投資を喚起する成長戦略
さて、第1の矢の金融政策、第2の矢の財政政策で「国や日銀のお金を市場に回そう!」としましたが、結局のところ経済再生の鍵を握るのは「民間企業」です。
どれだけ政府がお金を使っても、民間企業が「まだ不景気だからお金を使うのは不安だ・・・」と思い、買い物をしなかったら本末転倒ですよね。
よって、この第3の矢では「民間企業にお金を使ってもらう作戦」を打つことになります!
具体的には、
- 法人税を下げて、民間企業にお金を使ってもらいやすくする!
- TPPなどの新しいFTA(EPA)を作り、輸出しやすい環境を作る!
- 外国人観光客を増やし、その人達向けのビジネスを促進する!
- 電力会社を選べるようにし、企業の競争力をあげる!
などを行いました!
経済再建のまとめ
このように、2012年から始まった「経済再建のためのアベノミクス」では、その効果として株価が上がったり、輸出業者や建設業者などが儲かったりと、それなりの効果はありました。
しかし、上記の内容ってほとんど「企業向け」の作戦なんですね。
なので、企業は儲かったけど、果たしてそれが「個人」にまで効果があったのか?むしろ「個人」は置き去りにされているんじゃないか?という批判も多くおこりました。
そんな中で、2015年に政府が打ち出したのが「第2ステージのアベノミクス」です!
第2ステージ:一億総活躍(2015年09月〜)
一億総活躍とは?
上記のように、アベノミクス第1ステージはあくまでも「企業向け」の作戦でした。
そこで次は「個人向け」の作戦に出たのです。
それがこの「1億2700万人の個人全てが活躍できる国にしよう!」という「一億総活躍の為のアベノミクス」です!
では、具体的な内容を見ていきましょう!
新・第1の矢:希望を生み出す強い経済
これは簡単に言えば「第1ステージの続き」のような感じです。
ただ、それに加えて、現在の日本では「都市と地方の格差が大きい」という問題もあります。
そこで、「地方のビジネスを活性化していこう!」といった地方創生(地方活性化)もここでは掲げられています。
新・第2の矢:夢を紡ぐ子育て支援
これは、日本が抱える大問題である「少子高齢化」の問題解決の鍵を握る「女性」に主なスポットを当てた作戦ですね。
では、この内容を「子どもを産む前」と「子どもを産んでから」に分けてみてみましょう!
子どもを産む前
国が婚活事業をサポートしたり、不妊治療のサポートを行ったりします。
「国をあげて、国民の結婚をサポートする」って考えると、ちょっとおもしろいような気もしますね!
子どもを産んだ後
この目玉となる部分は、なんといっても「保育所問題」ですね。
子どもが保育所に入れれない為に、働きに出れない母親が多いです。
母親が働けれると、その家庭の生活も豊かになりますし、その分買い物の量も増え、経済も活発になります。
その為にも、保育所問題には力を入れていこう!というものですね。
その他にも「学校を幅広く選べるようにする」や「いじめ問題をなくしていく」や「ひとり親家庭の経済的支援」なども挙げられています!
新・第3の矢:安心につながる社会保障
第2の矢が少子高齢化の「少子」の部分にフォーカスを当てていましたが、この第3の矢は「高齢者」向けの作戦です。
介護に関して
保育所問題に並び、日本の大きな社会問題と言えば「介護」です。
介護施設がない、介護士が少ないという問題を解決していこう!というものですね!
高齢者の所得
また、高齢者の所得に関しても「高齢者向けの働く環境の提供」や「年金を含めた高齢者の所得アップを目指す!」などもあります。
一億総活躍のまとめ
以上のように、「第2ステージ:一億総活躍」は、経済ではなく「国民の暮らし」を中心に考えたものですね!
日本が豊かになるにはもちろん「経済の再建(経済を大きくする)」ことは不可欠ですが、少子高齢化を解決しないことにはニッチもサッチもいかないのです。
アベノミクスのまとめ
では、今回の記事をまとめます!
- アベノミクスには「第1ステージ」と「第2ステージ」のふたつがある。
- 第1ステージは「お金をバラまいて、景気を良くする!」がテーマ。
- 第2ステージは、第1ステージの恩恵を受けにくかった「地方・こども・高齢者」がテーマ。
という形ですね!
アベノミクスの結果については、改めて解説いたします!
それでは今回がここまで!
また別記事でお会いしましょう!チャオ!