衆議院と参議院って何が違うの? 〜ややこしい衆議院と参議院の違いをわかりやすく解説!〜
法律や予算など、国の運営について様々なことを決定する国会。
この国会、衆議院と参議院に分かれているのですが、それが非常にややこしい!名前も似てるし!
てかそもそもなぜ衆議院と参議院の2つに分かれているのでしょうか?
そこのところ、わかりやすく解説していきます!
レッツ、ビギン!
目次
衆議院と参議院の違い
そもそもなぜ2つに分かれているの?
国会が衆議院と参議院の2つに分かれていることを「二院制」といいます。
国会では、法律や国の予算や法律など、国の運営上めちゃくちゃ重要な事柄を決めるので、深く話し合いもしなければなりません。
ということで、話し合いをする場も2箇所設けて、様々な角度からいっぱい話し合おうぜ!という形で衆議院と参議院に分けられているのです。
この二院制は、日本だけではなく、世界の多くの国で採用されています。
でも、せっかく2つに分けても、同じ人たちが同じ様に話し合いをしていては意味がありません。
なので、衆議院と参議院にはそれぞれ違いを付けています。
衆議院と参議院の違いは?
この2者の違い、簡単に言うと、
「衆議院」は、よりリアルタイムな国民の意見を反映させることができ、
「参議院」は、どっしりと腰を据えて話し合いができる、
という特徴を持っています。
言い換えるなら、衆議院はイマドキでピチピチな感じで、参議院は落ち着いた大人な感じですね!
ではその違いを、具体的に見ていきましょう!
衆議院と参議院の比較表
こんな感じ!どどん!
では、項目を一つづつ見ていきましょう。
議員定数
議員の数は、衆議院のが参議院の倍近くいますね。
これは、「より、今の国民の声を取り入れる」という政治の方向性が現れています。
任期と解散
一番大きな違いはこれです。
衆議院は参議院よりも任期が短い上に、解散があります。解散があるということは、衆議院議員は、いきなり職を失う可能性があるのです。
余談ですが、衆議院議員選挙に勝つためには、議員一人2000万円くらいの費用がかかるのですが、2000万円をかけてせっかく当選しても、解散すればまたやり直しです。
結構ツライですよね、国会議員。
ですので、このことから、
「衆議院は頻繁に選挙をするため、よりリアルタイムな国民の意見が反映されている」
といえるでしょう。
入れ替わり
ここにも大きな違いがあります。
衆議院は、一回の選挙で全員が入れ替わりますが、参議院は1回の選挙で半数の121人しか変わりません。3年ごとに121人ずつ変わっていくシステムを取っています。
ですので、このことから、
「参議院は一気に全員が入れ替わることがないので、ひとつの事柄も長い目で議論ができる」といえるでしょう。
このことから、選挙の呼び方も参議院と衆議院で異なります。
衆議院選挙は一気に総入れ替えするため「総選挙」、参議院選挙は3年に1回のペースで必ず行うため「通常選挙」といいます。
よって、「参議院総選挙」や「衆議院通常選挙」は存在しません。
選挙権
選挙権は、衆参ともに18歳以上と変わりはありません。
被選挙権
被選挙権とは「その選挙に立候補できる年齢」ですが、参議院の方が衆議院より5歳上です。参議院の方がちょっぴり大人ですね。
選挙方式
選挙方式にも大きな差があります。
しかし、この選挙方式の差は「衆議院と参議院の差をつける」というよりかは、「大きな政党と小さな政党の間の有利不利を少なくする」為の差です。
衆議院の選挙制度が自民党のような大きな政党に非常に有利になっているので、参議院の方は中小政党にも優しい制度にしています。
この選挙制度の関しては、また別記事で解説致します!
と、このように衆議院と参議院に差をつけることによって、より多角的な議論ができるようになっています!
でも、仮に衆議院と参議院で意見が食い違った場合は、どうなるのでしょうか?
殴り合い?
じゃんけん?
話し合い?
・・・ということで次にいきます!
衆議院の優越
衆議院と参議院の間で意見が食い違った時は、多くの場合、衆議院の意見が優先されます。
この、衆議院が参議院よりも力を持っていることを「衆議院の優越」と言います。
では、具体的にどのようなものでしょうか?
法律案に関しての優越
法律案について、例えば衆議院でオッケーが出たが、次の参議院でオッケーが出なかった場合、もう一度衆議院に戻ってきます。
そこで、衆議院議員の3分の2以上が再度オッケーを出したら、参議院は反対しているにもかかわらずその法案は可決、という形になります。
予算案・条約の承認・総理大臣の指名
予算案・条約の承認・総理大臣の指名の際に、衆参での意見が食い違った時は、「両院協議会」を開きます。
両院協議会とは、衆議院と参議院からの代表者を数名づつで話し合い、どっちが折れるか決める話し合いなのですが、まあ当然どっちも折れませせん。
で、両院協議会でも決着がつかない時は、最終的に衆議院の意見を優先します。
ねじれ国会
ただ、正直言うと、衆議院と参議院の意見が食い違う時ってあんまりないんです。
でも、ある一定の条件を致した場合、意見の食い違いは超頻繁に起こります。
それはどんな時か・・・そう、それが「ねじれ国会」です。
ねじれ国会とは、衆議院と参議院で、一番大きい政党が異なる場合です。
例えば、2008年は衆議院は自民党、参議院は民主党が第1党(一番議席数が多い政党)でした。で、総理大臣を決める時は当然衆議院は自民党のリーダーを推し、参議委員は民主党のリーダーを推します。
ここに食い違いが出てきたので、両院協議会を開きました。しかし、両者折れるわけがありません。
で、最終的に衆議院の自民党が押す麻生さんが総理大臣になりました。
このように、ねじれ国会が発生している間は、衆議院と参議院での意見の違いは頻繁に起こりますが、ねじれ国会自体がそんなに起きないので、この衆参の違いもあまり起きないのです。
まとめ
以上のように、二院制の元、衆議院と参議院で差をつけることにより、より多角的な視点からの議論を可能にしていると同時に、同じ内容を衆参で話し合うことで、ダブルチェックになる、という意味も持っております!
ということで、今回はここまで!
それではまた別記事でお会いしましょう!チャオ!