安倍総理の施政方針演説解説! 〜これで現在の日本の政治が掴める!施政方針演説をわかりやすく解説!〜
今年もこの時期がやってきましたね!
毎年行われる「総理の施政方針演説」です!
この「総理の施政方針演説」とは、毎年必ず開かれる「通常国会」の1日目に、総理大臣が「現在の日本が抱える課題に対して、これからどの様に対応していくか」をというの話演説です!
で、この総理の施政方針演説は、現代の日本が抱える課題をなるべく網羅して総理は話すので、言っちゃえば「施政方針演説を聞くだけで、大体の日本の課題がわかる」のです!
なので「日本が抱える問題って、どんなのがあるの?」との疑問をお持ちのあなた!この施政方針演説を見ると、その疑問、解決出来ちゃうのです!
てことで、今回はその「施政方針演説」の内容を見ていきましょう!
それでは早速、レッツビギン!
通常国会とは?
通常国会とは、毎年1月〜6月くらいの期間に開かれる国会です。
毎年の慣例として、通常国会の初日には、総理大臣が衆議院と参議院でそれぞれ「施政方針演説」を行います。
通常国会や臨時国会など、国会の種類に関してはこちらの記事で解説しています!
目次
施政方針演説の概要
今回の演説の概要はこんな感じ!
上図の様に7部構成になっていて、その内容が、
- はじめに
- 世界の真ん中で輝く国創り(外交)
- 力強く成長し続ける国創り(経済)
- 安心・安全の国創り(災害対策・復興・生活安全)
- 一億総活躍の国創り(雇用・暮らし)
- 子供たちが夢に向かって頑張れる国創り(教育)
- おわりに
という感じです!
で、全体の構成の比率(文字数ベース)がこんな感じ!
演説で話題にあげたカテゴリの中でも、外交、経済、雇用・暮らしに力を入れているのがわかりますね!
てことで、各パート毎に具体的な内容を見ていきましょう!
1:はじめに
このパートはそんなの大事じゃないので、簡単に要約だけしますね!
「日本が戦争に負けて70年たったけど、この70年で、日本はすげー発展しました!今の時代、少子高齢化や災害問題、止まらないデフレなどなんやかんや問題はあるけど、素敵な『次なる70年』を創っていきましょーう!」
という感じです!
2:世界の真ん中で輝く国創り(外交)
このパートは外交関連です。
具体的には、
- 日米関係
- 貿易協定
- ロシア、韓国などの近隣諸国
- 世界平和への貢献
についてでした。
日米同盟
真っ先にあげたのが日米同盟。
トランプさんがあまり日本と仲良くしてくれそうにないので、その不安を払拭したい感が垣間見えますね!
この部分をまとめると、
- やっぱ日本の外交といえば日米同盟だから「トランプ大統領」との絆えを深めます!
- 去年の12月に、アメリカ軍が基地に使ってる沖縄の土地を結構返してもらたし、俺らは口ばっかりの民進党とは違うよね!やっぱ大切なのは口じゃなくて結果を出すことね!
と、トランプ大統領を非常に意識しつつ、沖縄の基地を「最低でも県外」に移転と言ったものの、結局何もできなかった民進党をディスっている内容になってます。
沖縄基地問題に関しては、こちらの記事をご覧ください!
地球儀を俯瞰する外交
これは「もっと貿易しまーす!」宣言です。
そのために、TPPやヨーロッパとのEPAなどの貿易のルールを整備します、といった内容ですね!
ただ、トランプ大統領は「TPPには参加しないよ!」と明言しています。
もし、TPPにアメリカが参加しなければ、日本のTPPによるメリットはほぼ皆無です。
この状況でも政府はTPPをゴリ押ししてますが、一体どうなるのでしょうか?
近隣諸国との関係改善
日本のご近所さん、ロシア・韓国・中国・北朝鮮についてです。
ロシアとは「北方領土の解決はすぐにはまず無理やけど、去年のプーチンさんの来日でちょっと距離も縮まったし、まあちょっとづつ頑張るよ!」という感じ!
韓国とは「まあそれなりに大事なご近所さんだから、過去のことよりも未来のことをお互いに考えていこうじゃありませんか!」という感じ。
慰安婦問題などで過去を突ついていくる韓国に対し、「過去よりも未来」を強調している感じですね。
中国とは「お互いに、自分のことだけじゃなく周りのこともよく考えながら、仲直りしていきましょう。」という感じ。
南シナ海など、領土拡大策をゴリ押しする中国を牽制しています。
北朝鮮は「お前らもうまじミサイル撃つなや!」という感じ。
これはいつもと同じです。
積極的平和主義
これは「もっと世界平和への貢献しまーす!」という感じですね。
具体的には「PKOで南スーダンに派遣されている日本の自衛隊が、現地でグラウンドを作った。そのおかげで、そこで南スーダンの全国スポーツ大会が開けたのだ!世界平和のために活動する自衛隊は、日本の誇りだぜ!」という感じです。
まあこのスタンスは、いつも通りの安部内閣って感じですね。
3:力強く成長し続ける国創り
このパートは経済関連です。
具体的には、
- アベノミクスの成果
- 中小企業の支援
- 地方創生
- 観光客の増加
- 農業改革
- 規制緩和
についてでした。
「壁」への挑戦
このパートは「アベノミクスすげーだろ!だから、これからも力いれていくぜー!」という感じです。
具体的には、アベノミクスのおかげで、
- 名目GDPが44兆円増加(9%成長)。
- 中小企業の倒産が、民主党政権より3割減った。
- 3年連続で給料があがった!(ベースアップ)
- 史上初!47都道府県全てで有効吸引倍率1以上!
- 史上初!子どもの貧困率が下がった!
というすげー効果があがったぜ!だからこれからも頑張る!という感じですね。
中小・小規模事業者への好循環
この部分は「アベノミクスの恩恵をあんまり受けていないとされる中小企業向けにも、手厚いサービスを行います!」といった感じです。
具体的には、
- 下請けの支払いを、手形から現金へ
- 雇用保険料の引き下げ
- 税額控除の拡大
- 固定資産税の減税
をあげました。
地方創生
これも「アベノミクスの恩恵をあんまり受けていないとされる地方にも、手厚いサービスを行います!」といった感じですね。
具体例として「ジーンズの町」として町おこしに成功した岡山の味野商店街を例にあげ、「地方にお金もっと回すから、活性化目指しなよ!」というものでした。
観光立国
近年急増している外国人観光客を、引き続き増やしていこう!という部分です。
具体的には、
- 民間企業に頑張ってもらって、国際クルーズ船をもっと日本に来てもらうようにする。
- 沖縄をアジアとの貿易の拠点とする。
- 全国の空港で国際線をもっと増やす。
- 民泊の規制を緩和する。
です!
農政新時代
これは「日本の農業を活性化させるために、規制を緩和する!」です!
具体的には、
- 法律改正で、農家の人が肥料を1円でも安くかい、農作物を1円でも高く売れるようにする。
- 農協の権限を弱め、農家の人がより自由に売買できるようにする。
- 日本の農作物の世界進出を後押しする。
などですね!
イノベーションを生み出す規制改革
これは「日本経済をもっと反映させるため、いろんな規制を緩めよう!」というものです!
具体的には、
- ビッグデータを、民間始めもっと幅広く活用できるようにする。
- 人工知能の先駆けとして、車の自動運転化を目指す。
- ガスの小売を自由化する。
- 水素エネルギー、燃料電池などのエコな電力をもっと生み出すための規制緩和を行う。
です!
4:安心・安全の国創り
このパートは、
- 被災地の復興
- 国土の強靭化
- 生活の安心
以上の3つの点で述べられました!
被災地の復興
これは「東日本大震災や熊本地震からの完全なる復興を目指そう!」というものです。
具体的には、
- 東北でイノベーションを生むための基盤をつくる。
- 一刻もはやく東北の避難指示解除を目指すため、国が率先して除染やインフラ整備を行う。
- 東北三県の農業・水産業・観光業などの経済の復活を後押し。
- 熊本のインフラ整備や熊本城の復旧などで、熊本を再生する。
ですね!
国土の強靭化
これは「日本は地理的に台風や地震、津波などの災害は避けられないから、災害に負けない国創りをしよう!」というものです。
具体的には、
- 避難計画の作成や訓練の義務化などで、台風や津波などの水災害対策をする。
- 最先端技術を取り入れたインフラ整備などで、街を強くする。
などです!
生活の安心
これは「誰もが安心して生活できる国にしよう!」というものです。
具体的には、
- 高齢者を狙った悪徳商法などには国を挙げて対応する。
- オリンピックに向け、サイバー犯罪やテロに対しての取り締まりをきつくする。
- 受動喫煙対策やバリアフリーなどを進める。
- 精神病患者へのサポートを厚くする。
というものです!
5:一億総活躍の国創り
このパートは、
- 働き方改革
- 女性の活躍
- 成長と分配の好循環
の3つの点について話されました!
働き方改革
これは簡単にいうと「ブラック企業をなくし、雇用形態による賃金格差もなくそう!」というものです!
具体的には、
- 正社員と契約社員などの間にある、給料や待遇などの差をなくす。
- 残業の限度を決める。
などですね!
女性の活躍
これはそのまま「女性がもっと働きやすい環境を作ろう!」というものです。
具体的には、
- パートの人たちが気にする「103万」を引き上げる。
- 出産からの復職のために、企業に助成金を支給する。
- お母さんが職業訓練を受けやすい環境をつくる。
などですね!
成長と分配の好循環
これは「経済成長で増えた税金を、社会福祉として国民に還元することで消費を拡大し、もっと経済を成長させよう!」というものですね!
具体的には、
- 待機児童をなくし、お母さんにもっと働いてもらって、家庭の収入アップを目指す。
- 年金の受け取る条件を緩和し、高齢者の所得アップ!
- 薬をもっと安く手に入るように法改正。
- お金持ちの高齢者の医療費は上げて、国の歳出削減。
などですね!
6:子どもたちが夢に向かって頑張れる国創り
これは、
- 個性を大切にする教育再生
- 誰にでもチャンスのある教育
の2点に関してです!
個性を大切にする教育再生
これは「子どもたち一人ひとりの事情にあった教育を提供しよう!」というものですね!
具体的には、
- 不登校の子が、従来の学校にいかなくても学べる「フリースクール」を作ろう!
- 専門学校と大学のいいとこ取りのような「専門職大学」を作ろう!
というものですね!
誰にでもチャンスのある教育
これは「貧しい人でも大学まで教育を受けれるようにしよう!」というものですね!
具体的には、
- 高校生への奨学給付金を拡大。
- 返さなくてもいい「給付金制度」の新設。
- 幼児教育の無償枠も拡大。
などですね!
7:おわりに
このパートは簡単に要約します!
「未来は変えられる。でも民進党みたいに、国会でプラカード掲げて批判だけしてても、意味がないんだよねー。ちゃんと建設的な議論をしないと、未来は変えられないから。てことで、自民党は憲法変えたいと思ってるから、みんなちゃんと話し合いしようね!」
て感じです!
最後が民進党を批判しつつ、自民党長年の夢である憲法改正に触れて終わりました。
ということで、今回の内容は以上です!
まあ、全体の流れとしては「自民党政権の実績を華々しく紹介しつつ、ライバルの民進党をディスりながら、日本が持つ各課題の解決策をやんわりと話す」という安倍総理お得意のスタイルでした。
ただ、今回注目すべき点は「日米同盟」の話をなによりも先に挙げ、「トランプ新大統領と同盟の絆をさらに強化する」とトランプさんを名指しで挙げたとこが非常に印象的です。
安倍内閣が力を入れて推し進めてきたTPPも、トランプさんの鶴の一声でなんの意味も為さないものになりつつあります。
そんな状況を懸念している感が非常にビシビシと伝わってきます。
果たして、2017年の日本はどうなるのでしょうか?
という形で今回はここまで!
それではまた別記事でお会いしましょう!チャオ!