【第2弾】在日米軍問題解説! 〜思いやり予算?オスプレイ?高江ヘリパッド問題?わかりやすく解説!
長年、日本の課題とされている「在日米軍問題」。
ニュースでも「普天間基地移設問題」や「思いやり予算」のことが盛んに議論されています。
そこで今回は、そんな在日米軍関連の問題を解説致します!
まず、第二弾となる今回は、
- 思いやり予算
- オスプレイ問題
の2点解説致します!
在日米軍の基本情報や、「沖縄への米軍基地集中」、米軍兵士を逮捕できないなどのルールである「日米地位協定」に関しては、「在日米軍と日米地位協定」の記事で解説しております!ご参照ください!
第一弾は「普天間基地移設問題」を解説致しました!ご参照下さい!
それでは早速、レッツビギン!
目次
思いやり予算
思いやり予算とは?
「思いやり予算」とは、在日米軍の為に、日本政府(防衛省)が支払っているお金」のことです。
2016年度の予算では、1,920億円となっています。
日本政府の一般会計予算が大体100兆円くらいなので、1,920億は予算の0.2%くらいです。
具体的には
- 在日米軍で働く日本人の給料のほとんど
- 在日米軍で使用される施設の光熱費のほとんど
- 硫黄島で行われる訓練にかかる経費の一部
- 在日米軍の施設の整備費
- 在日米軍基地で働く人の社会保険料の一部など
になります。
金額的な内訳はこんな感じ!
これが思いやり予算です!
なんで「思いやり予算」なの?
在日米軍はあくまでも「アメリカの軍」なので、運営するのは「アメリカ」です。
なので元々これらのお金は、日本は払う義務がありませんでした。
しかし、1978年に防衛庁長官の金丸信さんが、在日米軍で働く日本人の給料を一部肩代わりしてあげるのを決めました。
でも、それに対して共産党は「なんでやねん!そんな義務ないやんけ!払わんでいいやんけ!と反対したところ、金丸さんが「思いやりの立場で対処すべき」と答えたことにより、「思いやり予算」と呼ばれるようになりました。
在日米軍の為の支出はまだある!
でも、在日米軍の為に日本の政府が払っているお金って、この「思いやり予算」だけではないんですね!
思いやり予算以外の「在日米軍運営費」
- 基地周辺の住宅防音対策
- 基地周辺の河川や学校などの環境対策
- 米軍が日本から借りている施設の賃料の一部
- 沖縄などの漁業関係の人たちへの補償金
などの思いやり予算とは別の「在日米軍運営費」があり、これが2016年の予算で約2,589億円!
しかし、これだけでは終わりません!
在日米軍再編関係費
これは、主に「現在の在日米軍の形を変える為に必要な経費」です。
例えば、
- 沖縄の基地をグアムに移転する為の費用
- 普天間基地を移転する為の費用
- 厚木飛行場から岩国飛行場への引っ越し費用
などなど、在日米軍再編関係費が2016年の予算ベースで約1,766億円あります!
SACO関係費
ついでにもう一個いっちゃいましょう!
SACOという「沖縄の米軍基地について、日米間で色々話し合う機関」があり、その機関の経費として2016年度予算で28億円計上しています。
なんやかんやで合計6,303億円!
ということで、これまでの予算を合算すると、
こんな感じで約6,300億円になります!
で、この何が問題かというと、他国と比べて「米軍に支払っているお金」が多いんです!
米軍費用、他国との比較
アメリカの在日米軍運営予算
2016年10月〜2017年9月の間のアメリカの在日米軍に関する予算は、約55億ドル(約5850億円)となっています。(出展:Wall Street Journal)
この、アメリカ側5,850億円と日本側の6,303億円を比率で表すと、日本が負担しているのは約52%です。
そして、この思いやり予算などの「在日米軍を補助する出費」をスーパーウルトラ嫌う共産党の調べでは、ドイツは約33%、韓国は約40%、イタリアは約41%、になっているとのことです。
以上のことから、「日本はムダにアメリカ軍にお金を払いすぎだー!」という批判が起こるのですね。
日本が「防衛」にかける金額は多いの?
だけども、日本が「防衛」にかける総経費って、そんなに多くはないのです。
「世界軍事費ランキング」で見ると、日本は世界第8位ですね!
もちろんこの「409億ドル(約5兆円)」には「在日米軍に関する費用」は全て含んでいます。
世界8位となると結構お金かけているイメージですが、次は「軍事費の対GDP比率」で見てみましょう!
これを見ると、日本は1.0%と、「経済の規模の割には、あんまり軍事費にお金をかけてない」と言えるんですね。
日本が軍事にあまりお金をかけていない理由
それはなぜでしょうか?
そう、「アメリカに守ってもらえているから」です。
アメリカに守ってもらえているから、戦闘機や武器なども、自前でそんなに揃えなくても良いのです。
アメリカの防衛がなければ、日本は自前の軍隊をもっと強化しなければいけません。
そうなると、対GDPの軍事費比率も、2%や3%に上がってしまうかもしれません。
そのことを考えると、現在の「在日米軍に対しての費用約6000億円」は、特別高い買い物ではないんじゃないか、という意見もあります。
思いやり予算のまとめ
では、この思いやり予算をまとめます!
- 「思いやり予算」とは、日本が「払う義務がないが」、在日米軍の為に払ってあげている金額。年間で約1,920億円。
- 思いやり予算以外にも在日米軍関連費用はあり、合算すると年間6,000億円ほど。
- 在駐米軍の為の支払い比率は、韓国やドイツなどの国と比べても、日本は高い。
- 日本の防衛費は世界8位だが、対GDPで考えると低め。
以上です!では次に、オスプレイ問題を見ていきましょう!
オスプレイ問題
オスプレイとは?
オスプレイとは、アメリカが開発した航空機です。
ミサイルを撃ったり爆弾を落としたりする戦闘機ではなく、人やモノを運ぶ輸送機として使われる航空機です。
日本の米軍基地では、2012年に普天間基地や岩国飛行場に配備され、2017年以降には横田基地にも配備されることが決まっております。
また、2015年には日本の自衛隊にもオスプレイを導入することが決まっており、2019年までに、木更津や佐賀へ配備する方向になっています。
何が問題?
で、このオスプレイ、何が問題って事故率が高いんです。事故りやすい!
なので、基地や空港近くの住人としては、受け入れ反対しているのですね!
高江ヘリパッド問題
特に、沖縄県の北部の高江では、反オスプレイ運動が非常に盛んです。
この高江地域には沖縄県で一番大きい米軍基地である、北部訓練場があります。
でもこの北部訓練場、元々7800ヘクタールあったのですが、その半分以上に当たる約4010ヘクタールの土地が、2016年12月に返還されました。
ただ、返還の条件に「返還するとこにあるヘリパッド(ヘリが離着陸するとこ)を、返還しない土地に移す」というのがあり、6個のヘリパッドを作ることに決めました。
2007年にはヘリパッドの工事が始まりましたが、住民がそれに猛反対!
座り込みで工事進行を妨害した為、工事も一時中断します。
で、政府は2015年に高江に2箇所のヘリパッドを作ったところ、そこでのオスプレイの訓練が急増しました。
そして、2016年7月には、住民の抗議で一時中断していたヘリパッド建設工事も再開し、高江では「反ヘリパッド・反オスプレイ」の運動が非常に盛んに行われています。
オスプレイ問題のまとめ
それではオスオスプレイ関連のまとめ!
- オスプレイは、事故率が高くて危険!
- 米軍のオスプレイは、普天間や岩国、横田基地などに配備予定。
- 日本の自衛隊への導入も決定。
- 沖縄県の高江では、オスプレイなどが離着陸する為のヘリパッド建設の反対運動が盛んに。
まとめ
というように、第二回となる今回は「思いやり予算」と「オスプレイ問題」について解説致しました。
第一回で解説した「普天間基地移設問題」もそうですが、「日米安保条約」が続く限りは、在日米軍は存在し、このような問題もなくなることはないでしょう。
言い換えれば、このような問題を無くすには、在日米軍に頼らず、自国防衛能力を上げる必要があるのです。
なので、「日米関係を大切にし、アメリカに守ってもらう」か「自国防衛能力(自衛隊)を向上させ、自分の身は自分で守る」のどちらを優先させるのか、という点が今後の日本でも引き続き大きな争点となるでしょう。
「アメリカに守ってもらう」ことには、「軍事費にそんなにお金をかけなくて良い」や、「日本国民が直接戦わなくても良い」というメリットがありますが、「アメリカの言う事は出来るだけ聞かなくちゃいけない」というデメリットもあります。
「自国で身を守る」ことには、「他国(アメリカ)の干渉を受けなくて良い」というメリットがありますが、「日本国民が戦わなくてはならない(憲法9条の破棄)」し、「軍の整備には兆単位のお金が必要」というのはデメリットです。
こう考えると「自国で身を守る」は非常に難しいように見えますが、「在日米軍の縮小」は確実に進行しております。
果たしてこの先、日本の安全保障はどのような展開を見せるのでしょうか?